人生会議をご存じですか?

2019年8月16日

人生会議という言葉をご存じですか?人生の最終段階をどのように過ごしたいか、もしもの時のために、考えてみませんか。

今回は、人生会議についてご紹介します。

この記事の執筆
認知症ねっと
認知症ねっと編集部
認知症ねっと
この記事の目次
  1. 人生会議とは
  2. 気持ちが変わった場合はどうしたら良いの?

人生会議とは

2018年の日本人の平均寿命¹⁾は、男性81.09歳、女性87.26 歳と発表されています。

厚生労働省²⁾によると、大きな病気やケガによる命の危険が迫った状態になると、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることが、できなくなる と言われています。例えば、認知症の末期では、なかなか自分の意思を伝えることができなくなります。

そのため、人生の最終段階に自分が希望する治療やケアについて、大切にしていること、望んでいることを事前に考えて、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有する取り組みを「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」 と言います。

以下の順番で話し合いを進めます。

①「あなたが大切にしていることは何ですか?」具体的には、「生きる時間が限られているとしたら、どんなことを大切にする?」「こんな最期を迎えたい、こんな治療やケアを受けたい」「こんな最期は嫌だな、こんな治療やケアは嫌だな」「重体や危篤の状態になった時、どのような治療やケアを受けたいか?」などを考えてみましょう。

②「信頼できる人は誰ですか?」を考えてみましょう。あなたの意見を代弁してくれたり、サポートをしてくれる重要な人になります。

③かかりつけ医に聞いてみましょう。かかりつけ医とは、毎年の健康診断や風邪・予防接種を受けにいく病院や医院の医師のことを言います。近所にかかりつけ医をもつことは、あなたのことを知っていてくれる心強い医師です。かかりつけ医から病名や余命の告知について知りたいか否か、その他知りたいこと・知りたくないことを記録しましょう。

④考えたことや話し合った結果を共有しましょう。

気持ちが変わった場合はどうしたら良いの?

このプロセスは、一度行ったら変更できないわけではありません。気持ちは常に変化します。その度に少しずつ修正を加えて、記録しましょう。

厚生労働省のホームページに、「これからの治療・ケアに関する話し合い-アドバンス・ケア・プランニング」というパンフレット²⁾があります。話し合いや記録に利用してみてはいかがでしょうか。

また、患者・家族のアドバンス・ケア・プランニングを尊重する「人生の最終段階における医療・ケア決定プロセスに関するガイドライン」²⁾が2018年に改訂されました。

これは、医療者側が、人生の最終段階を迎える人や家族への医療・ケアを行うにあたり、本人の意思を尊重し、本人のこれまでの人生観や価値観、どのような生き方、最期の迎え方を望んでいるのかをできる限り把握することが大切であると考えています。

このガイドラインは本人や家族、信頼できる人との話し合いを重ねて、できる限り本人が望む最期を迎えられるように支援することが記載されています。

自分の最期をどう迎えるか?を考えることは、難しいことですし、気持ちが変化するのは当然です。時には、考えたくないという場合もあります。そんな時は無理に考えるのはやめましょう。身のまわりで起きた体験から気づいたことを記録するぐらいの気持ちで十分です。

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参考文献:1)厚生労働省.平成29年簡易生命表の概況.厚生労働省.(2019年6月4日アクセス).
2)厚生労働省.自らが望む人生の最終段階における医療・ケア.厚生労働省.(2019年6月4日アクセス).
3)厚生労働省.ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称を「人生会議」に決定しました.厚生労働省.(2019年6月4日アクセス).


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