東京医科歯科大ら、マイクロRNAを制御する新たな核酸医薬を開発
2019年7月5日
マイクロRNAを標的とした核酸医薬の効果を飛躍的に向上
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の横田隆徳教授、吉岡耕太郎特任助教らの研究グループは、大阪大学大学院薬学研究科などと共同で、マイクロRNAを標的とした従来の核酸医薬の効果を飛躍的に向上する新技術の開発に成功しました。
C型肝炎を対象に臨床試験が行われたアンチミア(ミラベルセンⓇ)と全く同一の1本鎖DNA核酸に対して、相補的なRNA鎖を結合したヘテロ2本鎖核酸(HDOアンチミア)を考案・合成しマウスに静脈注射したところ、HDOアンチミアは従来の1本鎖アンチミアの10倍以上の肝臓内マイクロRNA抑制効果を有することが判明しました。
アルツハイマー病など神経難病の画期的な治療につながる可能性
マイクロRNAは重要な治療標的分子である一方で、生体内における制御に問題がありました。今回のヘテロ2本鎖核酸技術により、生体内での非常に高効率なマイクロRNA制御が可能になり、製造コストの削減につながります。
さらに、投与量を減らすことで副作用の回避も可能です。その結果、マイクロRNA制御核酸医薬の臨床開発が加速され、乳がん・大腸がんなどの多くの癌やアルツハイマー病などの神経難病の画期的な治療につながる可能性を秘めており、さらに心不全の症状改善や脳梗塞の後遺症軽減などの広い臨床応用が期待できます。
この研究は科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(CREST)の支援のもとでおこなわれたもので、研究成果は、国際科学誌『Nucleic Acids Research』オンライン版(2019年6月19日) にて発表されます。
詳しい内容は下記外部リンクよりご覧ください。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
東京医科歯科大ら、マイクロRNAの効率的な制御を可能にする新たな核酸医薬の開発に成功
おすすめ記事リンク
- 【PR】治験参加者募集中!もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指して
- 11/28(木)「オンラインフレイル予防講座」防災編を開催(福岡市)
- 10/30(水)「オンラインフレイル予防講座」口腔編を開催(福岡市)
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- 岩田淳先生インタビュー:第7回 認知症検査と治療薬開発の現状