富山大、経験を記憶する新たな神経細胞集団を発見

2019年6月28日

脳内の記憶情報処理を解明

富山大学大学院医学薬学研究部(医学)の大川宜昭講師と井ノ口馨教授らは、JST戦略的創造研究推進事業において、新たな神経細胞集団を発見しマウスの脳内で記憶が保持され定着する様子を測定することに成功しました。

経験した出来事の記憶は脳の海馬で形成されますが、海馬で記憶を保持した神経細胞が変化した記憶痕跡細胞の集団活動は、これまで実験上の制約から観察できず、脳内で記憶がどのように情報処理されているのか不明でした。

光に変換することで観察可能に

本研究グループは、自由行動下のマウスの海馬で記憶痕跡細胞の活動を光に変換して観察する技術を確立し、記憶痕跡細胞の集団の中に複数の亜集団が存在していることを発見しました。

新しい出来事の経験が記憶されるときには、記憶の全体像をつくる個別の情報に応じたそれぞれの亜集団が時間的にずれて活動していること、そしてその一部は睡眠中に自発的に再活動するとともに、記憶が呼び起こされるときに再び優先的に活動することを明らかにしました。

本研究成果は、記憶の科学的かつ本質的な理解に貢献するものであり、効率の良い記憶学習法や、アルツハイマー型認知症などの記憶障害の早期診断法への応用につながることが期待されます。詳しくは下記外部リンクよりご覧ください。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
富山大、経験を記憶する新たな神経細胞集団を発見


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