高齢者へのマッサージ、客観的指標に基づく脳波活動を評価
2019年3月16日
腕部は幸福感に関連、脚部は記憶活動を増加
一般社団法人日本介護美容セラピスト協会(大阪市福島区)は、3月2日~3日に開催された日本健康支援学会第20回学術大会にて、「上肢と下肢に対するマッサージが高齢者の脳波活動と心理的側面に及ぼす効果」と題し、脳波計測とアンケート調査の結果を発表しました。
アンケートによる心理的側面の評価は、腕部、脚部で大きな差はなかったものの、脳波計測においては、腕部へのマッサージは、情動や幸福感に関する脳波活動が活発となり、脚部へのマッサージは、情動や記憶に関する脳波活動が活発になることがわかりました。
身体にマッサージを行うことで高齢者の行動面や心理症状の改善に効果的であることは既に明らかでしたが、部位別に行うマッサージ効果についての脳波計測による客観的な研究は過去に行われておらず、初めての研究となりました。なお、この研究は京都橘大学健康科学部と合同で行われました。
高齢者12名を対象に、客観的指標により評価
対象者となったのは、要支援または要介護認定を受けた高齢者12名(男性3名、女性9名、平均年齢81.9±3.9歳)。腕部マッサージを受けるA群と脚部マッサージを受けるB群にランダムに振り分け、1週間後、マッサ―ジ部位を入れ替えて実施。マッサージは、日本介護美容セラピスト協会の5年間の実務経験があるビューティタッチセラピストが行いました。効果検証の結果は次のようになりました。
1、心理的側面について「気持ちよさ」「リラクセーション」「すっきり感」の項目で、腕部及び脚部のマッサージ後、ともに高い値が示されたが、両群での有意な差は認められなかった。
2、腕部へのマッサージ後の脳波計測において、情動や幸福感に関連する島皮質のα帯域の活性化が認められた。
3、脚部へのマッサージ後の脳波測定において、情動や記憶に関連する後帯状皮質のα帯域の活性化が認められた。
(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)
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高齢者へのマッサージ 部位により脳に与える影響に差があると発見、客観的指標に基づく脳波活動評価、腕部は幸福感に関連、脚部は記憶活動を増加
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