北大ら、認知症早期診断に向け、MRI撮像・解析技術を開発
QSM・VBMによるハイブリッド撮像・解析法
北海道大学と株式会社日立製作所(東京都千代田区)は、アルツハイマー型認知症の早期診断および検査時間の大幅な短縮を目的に、QSM(鉄濃度定量の分布を解析する手法)とVBM(脳の萎縮の程度を客観的に評価する手法)を組み合わせたハイブリッド撮像・解析法を共同開発しました。
北海道大学と日立製作所は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構から『未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業「QSMとVBMのハイブリッド撮像・解析による認知症の早期診断MRI」』(研究開発代表者:北海道大学病院 准教授 工藤與亮)を受託し、研究開発を進め、ハイブリッド撮像・解析法の開発に成功したものです。
診断精度の向上を確認
北大病院でQSMとVBMのハイブリッド撮像・解析法を用いた臨床研究を実施し、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害と健常成人の鑑別診断において、VBM単独よりもQSMを併用することで診断精度が向上することを確認しました。
さらに、検証を加速するため、北大病院と岩手医科大学附属病院、徳島大学病院、名古屋市立大学病院から成る多施設臨床研究を2018年7月から行っています。この多施設研究では、アミロイドPET*4とQSMとの相関解析を行っており、アミロイド病理と鉄沈着の関係についても研究していく予定です。現在、少数例ではあるものの、アミロイドPETとQSMの間に有意な相関が見られています。
本事業では、アルツハイマー型認知症の診断精度向上に関して、多施設臨床研究による症例数の増加とアミロイド病理との対比に基づき、QSMとVBMのハイブリッド解析法の有効性を実証します。さらに、長期前向き研究での実証を経て、早期の認知障害の検知や認知症への移行予測などアルツハイマー型認知症の早期診断法の確立をめざします。
(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
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