「認知症外来の音楽療法」、iOSアプリで提供

2018年10月20日

認知症患者に対する音楽療法プログラムを家庭でも実現可能に

株式会社フェイス(京都市中京区)は、認知症患者に対する音楽療法が家庭でできるiOSアプリ「認知症外来の音楽療法™」の提供を開始しました。京都医療センター脳神経内科外来で認知症に対する非薬物療法として実施している音楽療法のノウハウを取り入れ、医師、臨床音楽士監修のもと作られました。

厚生労働省によれば、2025年には国内認知症罹患者数は700万人を超えると推測されているものの、認知症の予防・治療法は、未だ十分に確立されていません。しかし、そんな中でも音楽療法がBPSD(認知症の行動・心理症状)やQOL(生活の質)に対して効果があることが、世界各国で報告されています。

京都医療センターのフラッシュソングセラピーをベースに開発

本アプリがノウハウを取り入れた、独立行政法人国立病院機構京都医療センターでは、2009年より認知症に対する非薬物療法として脳神経内科外来で音楽療法を行っています。音楽療法はフラッシュソングセラピー(飯塚三枝子臨床音楽士考案)という方法で行われまています。これは、患者の嗜好に合った曲や記憶の中にある懐かしい曲をランダムに、フラッシュカードをめくるように提供し、患者自身がメドレー形式で次々に歌唱することで、すばやい曲の変更やリズムで脳と身体を刺激し、充足を得る方法です。

多数の曲を次々に歌うこと、イントロで誘導するということが重視され、新しい曲に対するワクワク感、知っている曲とわかった時のうれしさや安心感、曲をサビの部分まで歌えた時の満足感を、曲の数だけ多く感じることができます。

アプリにプロフィール情報を登録すると、臨床データに基づきおすすめの音楽プログラムが自動で設定されます。歌詞が見づらい場合に歌詞を読み上げる「先読み機能」、歌唱を誘導する「ガイドボーカル機能」など歌いやすいよう工夫がなされています。カルテは利用状況に応じて監修医師からのひとことが表示されますので、楽しみながら利用できます。また、カメラ機能を設定することにより、音楽聴取中・歌唱前後の表情がカメラで自動撮影され、その表情の反応結果が次回以降の選曲プログラムに反映されます(特許出願中)。

本アプリは、iPhone及びiPad向けで、アプリダウンロードは無料。カルテ機能や全ての楽曲を楽しむには有料登録が必要です(月額980円:有料会員登録後、1ヶ月間は無料)。詳しくは下記外部リンクよりご覧下さい。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
医療機関との共同研究・開発「認知症外来の音楽療法」アプリサービスを提供開始


このページの
上へ戻る