ファンケルが臨床試験、フェルラ酸が軽度認知障害を緩和

2018年9月24日

フェルラ酸など含む食品の継続摂取で効果

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は、フェルラ酸とαGPC、イチョウ葉エキス、ビタミンCを含む食品を継続して摂取することが、軽度認知障害(MCI)を有する高齢者に対して、認知機能の緩和と日常の心理・行動に、良い影響を与えることを臨床試験で確認したと発表しました。

試験は、認知症専門医が軽度認知障害であると判定した65歳以上の68人(男性25人、女性43人)を無作為に選び2群に分けました。フェルラ酸を含む食品群、またはフェルラ酸などの成分を含まない食品(プラセボ群)のいずれかを、各群6カ月間摂取してもらい、認知機能検査のMMSE(認知障害の測定を目的とした神経心理テスト)と実感アンケートを行いました。なお、公正に実施するため、先入観や意図的な操作ができない試験方法で実施されました。

特に、65歳以上75歳未満の前期高齢者で効果が顕著に

摂取6カ月後のMMSE検査の結果、プラセボ群は摂取前に比較して認知機能の低下指標となるMMSEスコアがマイナス0.62点と摂取前より低下したのに対し、フェルラ酸を含む食品群は 0.57点上昇したのを確認しました(図1)。

特に、65歳以上75歳未満の前期高齢者を対象にした検査では、プラセボ群のMMSEスコアが摂取前よりマイナス0.33点低下したのに対し、フェルラ酸を含む食品群は1.20点上昇し、両群間で明確な差を確認しました(図2)。これにより、フェルラ酸を含む食品を摂取すると認知機能の低下が緩和できることが分かりました。

同社ではでフェルラ酸が、認知症の発症原因の1つである「リン酸化タウタンパク質」の蓄積を低下させる作用があることを既に発見しており、本研究結果を受け「今後も、認知障害に関するより効果の高い原料開発やメカニズムの解明といった基礎的な研究を進め、より良い製品開発に取り組む」としています。なお、研究成果は、日本認知症予防学会誌(Vol.8 No.1,2018(http://ninchishou.jp/index.php?id=52))に掲載されました。

(文頭画像はイメージ。文中画像はプレスリリースより)

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フェルラ酸などが軽度認知障害を緩和


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