理研、疾患モデルマウス作製の効率化に成功
2018年8月10日
塩基編集技術を利用、アルツハイマー病の原因解明へ
理化学研究所脳神経科学研究センターの共同研究チームは、塩基編集技術を利用して、家族性アルツハイマー病に関連する遺伝子変異をマウスに導入することに成功しました。塩基編集技術は、従来のノックイン技法によるモデルマウスの作製に比べて大幅に変異の導入効率が高く、複数の異なる変異を持つマウス系統を同時に作製できることが分かりました。
作製した変異マウスはアルツハイマー病患者脳内の病的な状態をよく再現しており、疾患モデル動物作製における塩基編集技術の有用性を示しました。今回、理研研究チームは、近年開発されたゲノム編集技術を改変した「塩基編集技術」を用いると、従来法に比べてマウスに遺伝子変異を高効率に導入でき、同時に複数の変異マウス系統を作製できることを発見したものです。
疾患モデル動物作製に新しい選択肢を提供するだけでなく、疾患の発症メカニズムの解明や、未知の病的変異のスクリーニングなど、生命科学のさまざまな研究分野への貢献が期待できます。
共同研究チームは、理化学研究所脳神経科学研究センター神経老化制御研究チームの西道隆臣チームリーダー、笹栗弘貴研究員、永田健一研究員ら。本研究は、英国のオンライン科学雑誌『Nature Communications』(7月24日:日本時間7月24日)に掲載されました。
(画像はイメージです)
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