アルツハイマー病における性差は長生きだけではない可能性

2018年8月1日

米アルツハイマー病協会国際会議で報告

米国シカゴで7月22日〜26日まで開催された、「アルツハイマー病協会国際会議」(Alzheimer’s Association International Conference (AAIC) 2018)において、女性の出産歴と認知症リスクの初の大規模研究を含め、生涯における認知症やアルツハイマー病と関係のある性差が浮き彫りにされました。

AAICで報告された概要は次の通りとなっています。

*認知症リスクと子供の数、流産の数、初潮年齢、生殖期(初潮と閉経の間の年数)との間の関係性
*別の研究において、妊娠の累積月数とアルツハイマー・リスクとの相互関係
*ホルモン療法は認知に悪影響を与えるという長年の考え方の再考
*女性の早期発見を改善するため、認知評価に対する性的基準の必要性

さらなる研究が必要

アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Association)の最高科学責任者であるマリア・カリーヨ博士は「男性より女性の方がアルツハイマー病やその他の認知症にかかっている。アルツハイマー病にかかった米国人のほぼ3分の2は女性である」と語っています。米国のアルツハイマー病にかかった65歳以上の人々550万人のうち、340万人が女性で、200万人は男性でした。

男性よりも女性が、アルツハイマー病やその他の認知症にかかりやすい理由は、幾つかの潜在的な生物学的、社会的理由がある。一般的な見方は、女性は平均的に男性よりも長生きしているということです。しかし、一部の研究では、アルツハイマー病を発症するリスクは、生物学的、遺伝的変異、もしくは教育や職業、心臓疾患罹患率のようなさまざまな人生経験により、女性の方が大きいということを示しています。

カリーヨ博士は「この分野では、さらなる研究が必要である。生涯にわたる性特有のリスク要因をより良く理解することは、アルツハイマー病やその他の認知症にかかったさまざまな人口集団に対する特定の予防戦略を発見し、結果的に適用するのに役立つ可能性があるからだ」と付け加えました。詳しくは下記外部リンクよりご覧ください。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
妊娠・出産歴は認知症リスクにプラスの影響も、ホルモン療法の認知への影響を再考する動き


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