国立長寿医療研究センター、アルツハイマー病研究に新知見

2018年6月19日

アミロイドβの抑制に新たな視点

国立長寿医療研究センター、檜垣小百合研究員らの「アルツハイマーモデルにおけるmiR-200b/cの機能解析」に関する論文が、米国科学雑誌PLoS Oneオンライン版に掲載されました。

アルツハイマー病モデルマウスにおいてアルツハイマー病の原因といわれるアミロイドβが蓄積し始める時期に高発現していた、タンパク質発言を微調整する核酸分子miR-200群に着目。中でもmiR-200bとmiR-200cはアミロイドβを減らす効果があり、アミロイドβにより空間学習ができなくなったマウスでもmiR-200b/cを高発現させることにより、正常なレベルとなりました。

研究グループでは、この要因を探索したところ、インスリン抵抗性にかかわる分子RPS6KB1(S6K1)が標的の一つとして見つかりました。近年、アルツハイマー病は”3型糖尿病”と言われ、脳内がインスリン抵抗性状態にあることが原因ではないかと言われています。miR-200b/cは、S6K1の発現を抑制することでインスリン抵抗性を緩和し、アミロイドβの毒性に対して防御的な作用を示すのではないかと考えられます。

これまで癌細胞の増殖抑制作用をもつmiRNAは見つかっていますが、神経疾患を対象とした成果はほとんどありませんでした。論文の詳しい内容は下記外部リンクよりご覧ください。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
国立長寿医療研究センター、檜垣小百合研究員(データ管理部)らの「アルツハイマーモデルにおけるmiR-200b/cの機能解析」に関する論文が、米国科学雑誌PLoS Oneオンライン版に掲載されました

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