新潟大、脳の水に着目、脳疾患を改善する薬剤候補を開発

2018年6月17日

世界初の水チャンネル蛋白・アクアポリン4促進化合物を開発

新潟大学脳研究所統合脳機能研究センターの五十嵐博中教授らの研究グループは、世界初の低分子アクアポリン4機能促進化合物TGN-073の開発に成功し、この化合物を投与することによって、脳に蓄積する老廃物を排出する働きをするための、「脳の水はけ」を改善することをMRIにより証明しました。

脳の80%は水でできており、アルツハイマー病やパーキンソン病は、脳内に蓄積する「ゴミ」が原因となり引き起こされると考えられています。本研究は、脳の水に着目することで、脳に蓄積するゴミを排出しようとしたものです。成果のポイントは次のとおりです。

・脳に溜まった排泄物の除去を促進することで脳疾患を改善する全く新しいメカニズムに基づいた薬剤候補を開発。
・脳に豊富に存在する水チャンネル・アクアポリン4の機能を促進することにより脳の「水はけ」を改善。
・アルツハイマー病、パーキンソン病など脳に異常蛋白が蓄積する疾患や、生命を脅かす脳のむくみ(脳浮腫)への新たな治療法開発が期待できる。

今後は、アルツハイマー病、パーキンソン病や、脳梗塞、脳浮腫など脳内の水の動きが滞ることが原因と考えられる疾患の治療に新たな選択肢となるよう、開発した化合物の各種脳疾患に対する効果を検証するとしています。

本研究の成果は、Neuroreport(オンライン版)に掲載されました。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
新潟大学、水を制すものは脳を制す~世界初の水チャンネル蛋白・アクアポリン4促進化合物を開発~


このページの
上へ戻る