【厚労省】介護報酬改定。在宅支援と認知症へのサービスを充実させると発表

2015年2月8日

報酬額のまとめを発表

厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会は、2月6日、4月より見直される介護報酬のサービスごとの報酬額をまとめた。介護報酬は、介護費用を抑えるため、2015年度より全体で2.27%引き下げられることが決まっており、平均報酬単価のマイナス方向への改定は、9年ぶりとなる。

介護報酬は、介護サービスをおこなう事業者に支払われるもので、3年ごとに見直しがおこなわれる。今回は、在宅サービスと中重度の要介護者・認知症へのサービスの充実に重点がおかれた。

介護の充実に対し報酬アップ

在宅支援では、自宅で療養する高齢者に介護や看護をいつでも提供する24時間巡回サービスを実施。主治医や看護師、介護職員らが連携しておこなう細やかなケアに報酬をつける。

また訪問介護・看護、通所介護サービスは中重度者への対応を強化。認知症高齢者が入所する施設では、職員を増やすなど介護の充実に対しても報酬を上げることとした。

特別養護老人ホームは、利益率が高いため引き下げの対象となっているが、看取りのための人員配置や、その対応への取り組みについては増額される。

利用者の負担は?

介護職員の待遇改善では、賃金体系の整備や育成に取り組む事業者に対し、賃金分としての報酬を上乗せする。介護職員を増やしサービスを充実させるなどの努力に対しては、報酬総額が減らないように配慮されているということだ。

今回まとめられた介護報酬では、質の高い事業者を増やすことと、ますます増え続ける介護利用者の受け皿として、在宅支援サービスの充実が示された。一方で、質の高い介護を受けた場合、利用者の負担がさらに大きくなるのではないかとの懸念も否定できない。

(画像は「厚労省平成27年度介護報酬改定の概要(案)」より)

▼外部リンク
厚労省 第119回社会保障審議会介護給付費分科会資料

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