全国初 認知症事故防止のため、熊本県警 免許センターに看護師配置
2015年3月5日
認知症のドライバー早期発見へ
熊本県警は、2月2日、認知症など意識障害による交通事故を防ごうと、熊本県運転免許センターに看護師2人を配置した。同日、開始式がおこなわれ、県警本部交通部長より、辞令が交付された。
免許更新時などに、運転適性相談をおこない、ドライバーに認知症などの症状がないかを早期に発見するのが目的。免許センターに看護師を置くのは全国で初となる。
運転適性相談窓口
2人の看護師は、2日よりセンター内の「運転適性相談窓口」で業務に当たる。これまで免許を更新する際の運転適性相談は、認知症、てんかん、統合失調症などの疑いがある人について、警察職員が実施してきた。
しかし、警察職員だけでは病状の把握が難しいため、専門知識を持つ看護師が配置されることとなった。看護師は警察職員とともに相談を受け、認知症などが疑われる人には病院の受診を促す。場合によっては、免許の自主返納を勧める。
看護師の1人は、
「実際に認知症でも本人にその意識がない人が多い。状況に納得して免許が返納できるように対応したい」(産経WESTより)
と話している。
違反がなくても免許取り消しへ
県警運転免許課は、
「県内では昨年、75歳以上のドライバーが第1当事者となった事故は15件発生し、うち8件に認知症の疑いがあった」(くまにちコムより)
と述べているという。
75歳以上のドライバーの交通事故は、全国的に増える一方となっている。警察庁はこれを受け、道交法改正案を今国会に提出する。改正案では、検査で認知症の疑いが指摘されれば、違反がなくても医師の診断書によって免許取り消しとなる。
地方では、高齢者の交通事故が問題となっている反面、75歳を過ぎても移動手段をマイカーに頼らざるを得ないという事情もある。運転の適性を厳しく見極める必要とともに、高齢者に対する行政の配慮も望まれる。
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熊本県警察本部
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