島津製作所、アルツハイマー病の画期的な早期検査法を確立

2018年2月8日

わずか0.5ccの血液で正確に検出

島津製作所と国立長寿医療研究センターは、2002年にノーベル化学賞を受賞した同社シニアフェロー・田中耕一さんの技術を活用し、現在用いられている脳脊髄液(CSF)やPETイメージングの検査に匹敵する極めて高い精度のアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法を確立したと発表しました。2014年に質量分析システムを用いたアルツハイマー病血液バイオマーカーを発見、研究開発を進め今回の成果に至ったものです。

本発見は、認知症の主要因であるアルツハイマー病の原因、アミロイドの脳内蓄積を検出するものであり、これまで手間もかかり高額であったアルツハイマー検査に比べ、僅か0.5ccの血液からアルツハイマー病変を早期に正確に検出する画期的な技術です。世界的に未だ成功していないアルツハイマー病の根本的な治療薬、予防薬開発に大きく貢献するものと期待されます。

アルツハイマー病治療薬、予防薬の開発加速に期待

東京・霞が関の厚生労働省で行われた会見には田中さんも訪れ、今回の成果について発表が行われ、次のように語りました。

今回の発表は、日本の科学技術を世界に向かって発表できるという非常に良い機会となりました。未だアルツハイマー病の根本治療薬は残念ながらできておりませんが、今回の発見は、根本治療薬を含めた様々な進展に貢献する基礎となる、非常に大きな成果だと考えています。今回の成果が、世界の健康、長寿に貢献できればと考えています。

本研究成果は2018年2月1日(日本時間)にNature オンライン版で公開されています。

(本文画像はプレスリリースより)

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島津製作所、アルツハイマー病変の早期検出法を血液検査で確立- アルツハイマー病治療薬、予防薬開発の加速に貢献が期待 –


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