認知症ケアDVD「ユマニチュード – 優しさを伝えるケア技術」再発売
フランスで生まれた技法
認知症ケアの新しい技法として注目を集め、昨年発売された「ユマニチュード – 優しさを伝えるケア技術」のDVDが、2月2日より再発売されることが、1月16日に発表された。
「ユマニチュード」は、体育学を専攻する2人のフランス人、イブ・ジネスト氏(Yves Gineste )とロゼット・マレスコッティ氏(Rosette Marescotti )によって開発され、35年の歴史ある認知症ケアの技法である。
現在フランス国内では、400を超える医療機関や介護施設がこの技法を導入している。ベルギー・スイス・ポルトガル・ドイツ・カナダに次いで、日本では2014年に紹介された。
「見る・話しかける・触れる・立つ」
DVDでは、フランスで生まれたこの技法を、開発者の2人が実例を交えて丁寧にわかりやすく解説。 病院・介護施設・在宅・教育現場などで広く利用できるものとなっている。
認知症が進むと、記憶の混乱がおこり、本人は不安を抱えたまま意欲が低下していき、被害妄想などの症状があらわれることがある。徘徊や暴言・暴力なども増し、家族や介護者の心身の負担はますます大きくなる。
「ユマニチュード」では、ケアの方法を変えることにより、認知症の本人が変化し、意思疎通が図れるようになる。「見る・話しかける・触れる・立つ」というケアの4つのポイントを心がけるだけで、介護する人も介護される人も、快適さと穏やかさを感じるようになり、驚くほど楽になるという。
1人の人間として接すること
まず、同じ目の高さで、正面から長い時間をかけてみつめる。話しかける時は、頻繁に、優しく、前向きな言葉で語りかける。
着替えや清拭など、身体に触れて介助する場合も、機械的な動作のみで手足を動かしたり触ったりするのではなく、常に話しかけながら支えるように持ち上げ、優しく触れる。そして、可能な場合は、立ち上がることを促す。
介護の現場では認知の機能が急激に落ちている人に対し、治療や介護を受け入れてもらうことは、さまざまな面で困難が多い。場合によっては、おむつを替えるだけで30分を費やすこともある。しかしこの技法で接すると、驚くほどスムーズにできるという。
大事なのは、認知症状をともなう人と接する時、相手を大切な存在として扱うという視点だ。病人としてではなく、あくまで1人の人間として接することで信頼関係が生まれるということだ。
▼外部リンク
ジネスト・マレスコッティ研究所日本支部
【DVD】ユマニチュード – 優しさを伝えるケア技術
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