介護報酬2.27%引き下げを閣議決定、認知症対応事業所の賃金アップも
2015年1月14日
介護報酬は9年ぶりのマイナス
政府は1月11日、麻生太郎財務相と塩崎恭久厚生労働相の閣僚折衝において、介護サービスの価格の基準となる介護報酬を、2015年度から2.27%引き下げることを正式に決定した。
介護報酬は9年ぶりのマイナスとなるが、介護業界や自民党の一部議員からのサービスの低下が危ぶまれるとの反対を受け、過去最大の下げには至らなかった。
賃上げ1.65%アップ、さらに0.56%分を加算
2015年度予算案の社会保障費の内容を決める閣議で、ほかに入院患者の食事代負担の段階的な引き上げ、住宅扶助の引き下げ、幼児教育の一部無償化の見送りなど、負担増の厳しい側面もある。
ただし、介護施設職員の賃上げ分の財源として1.65%分を確保、月給を平均1万2,000円アップする方針だ。
「介護職の平均給与は月額21万円程度と全労働者平均の7割弱にとどまっており、人手不足を招いている」(毎日新聞より)
ことを受けての決定となる。
また、これとは別に介護の必要度が高い人や認知症の人への対応をおこなう小規模事業所などには0.56%分を加算。中重度の要介護者や認知症高齢者への支援を強化していくという厚労省の指針を反映するものとなった。
介護サービス低下の懸念も
一方特別養護老人ホームやデイサービスは、利益率1割前後ともうけが大きいことを受け、サービスの単価を大幅に下げる。事業者の経営状況により、細かく設定していく方針だ。
介護業界の団体などからは、今回の介護報酬引き下げを受け、職員の処遇改善は確実に停滞するとの声も上がっており、介護サービスの低下が懸念される。
▼外部リンク
厚生労働省
厚労省「平成27年度介護報酬改定に関する審議報告」
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