アルツハイマー型認知症研究「J-ADNI」問題、第三者委は改ざんを認めず

2014年12月25日

ヒューマンエラーは認めるがデータ公表には問題なし

アルツハイマー病の臨床研究「J-ADNI」について、不適切なデータの存在が指摘されていた問題で、外部の有識者による第三者調査委員会が調査報告書を取りまとめた。

報告書によると、同意手続きに関する問題倫理指針違反、データセンター職員の誤った指示によるヒューマンエラーなどが認められるものの、「改ざん」や「不適切に修正」されたデータは存在せず、データの公表に問題はないとした。

全国規模のアルツハイマー病臨床研究

「J-ADNI」は国と製薬企業が共同で進めるアルツハイマー病総合診断体系実用化プロジェクトで、2007年に開始。全国の軽度認知障害を持つ患者ら約600人について、2~3年にわたり臨床研究を実施。

しかし今年1月に報道等で同研究に対する疑義が指摘され、6月には東京大学の特別調査委員会が厚生労働省に対して報告を実施。さらに外部の有識者による再調査を進めていた。

厚生労働省は新たな研究班体制をつくり、再発防止策や適切なマネジメント体制を整備するとしている。将来はアルツハイマー病治療薬の実用化の推進にも役立つとして注目される研究だけに、今後の進展が注目される。

(画像はJ-ADNIのホームページより)

▼外部リンク
J-ADNI
厚生労働省/J-ADNI研究に関する第三者調査委員会調査報告書について


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