国内初の試み、福岡市が「ユマニチュード」の実証実験

2017年8月3日

福岡市の急速な高齢化、アクセンチュアが戦略策定を支援

アクセンチュア株式会社が、7月、福岡市より発表された「福岡100~人生100年時代の健寿社会モデルをつくる100のアクション~」のベースとなる7つの健康先進都市戦略の策定を支援したことを発表しました。また、この戦略に基づく先行事業として、認知症の先進的ケア技法である「ユマニチュード」の実証実験を実施。政令指定都市がまちづくりおよび高齢化対策の一環として、「ユマニチュード」を取り入れることは国内初の試みです。

コミュニケーションに劇的変化!認知症ケア「ユマニチュード」とは

「福岡100~人生100年時代の健寿社会モデルをつくる100のアクション~」は、急速な高齢化が進む福岡市が、市民が支え合いながら誰もが心身ともに健康で幸せに生き続けられる社会を実現するために発表した100のアクションです。

科学的根拠とデジタル技術を使用した7つの戦略

今回アクセンチュア株式会社は、福岡市の状況を踏まえ、デジタル技術の活用などを提案。市民それぞれが主体的に関わることができる持続可能で革新的な保健・医療・福祉システムの、7つの戦略的な柱を福岡市とともに定義しました。

具体的には、認知症のコミュニケーション・ケア技法を福岡市内に取り入れることで、市民全体の認知症への理解を深め、介護提供者の負担軽減と認知症高齢者の生活の質の改善につなげる「すべての市民がケアに参加するまち」という戦略。オンライン問診・診療などを活用して、医療の質の向上や診療時間の効率化を図り「かかりつけ医」の機能を強化する「デジタル時代の医療サービスが実現されるまち」など、科学的根拠に基づき最新のデジタル技術を使用した7つの戦略の柱を発表しています。

認知症患者の行動心理症状が改善される可能性

さらに、福岡市とアクセンチュアは7つの戦略に基づく実践的な先行事業として、認知症の先進的ケア技法である「ユマニチュード」の実証実験を実施。福岡市内の5つの病院や介護施設の職員を対象にモデル導入を行った結果、導入に伴う介護従事者への負担が軽微であることや、認知症患者の行動心理症状が改善される可能性が示唆されました。政令指定都市がまちづくりや高齢化対策の一環として「ユニマチュード」を取り入れるのは国内初。今年度以降も、さらに実施施設および介護技術教育を拡大するなど、実証実験を継続する予定です。

福岡市保健福祉局政策推進部長の中村卓也氏は「健康で自立して生活できるまちづくりを、産学官および市民全体を巻き込みながら進め、大都市での先駆的なモデルとなる持続可能な社会システムを実現していきたい。」と述べています。

▼外部リンク
福岡100~人生100年時代の健寿社会モデルをつくるに向けた100のアクション~
アクセンチュア株式会社ニュースリリース


このページの
上へ戻る