認知症患者の5人に1人は抗精神病薬の処方経験。医療経済研究機構の最新研究より
2014年11月13日
認知症患者へ向精神薬が処方されるケースを調査
医療経済研究機構研究員の奥村泰之氏らによるグループは、「認知症患者への向精神薬処方の経年変化に関する研究について」を、「International Psychogeriatrics」誌(オンライン版)に発表した。
同研究では認知症を患う人の症状として挙げられる妄想、幻覚、攻撃性などの行動や心理症状について、緩和策として向精神薬がどの程度用いられているかについて調査を行った。
2002年から2010年に厚生労働省が行った「社会医療診療行為別調査」を二次的に分析。ドネペジル(抗認知症薬)の処方を受けた65歳以上の外来患者15,591人を研究対象とした。
向精神薬の投与数は微増傾向に
2008年~2010年において、認知症患者に抗精神病薬が処方された数は全体の21%で、約5人に1人の割合であった。2002年~2004年と比較すると1.1倍増となり、投与数は微増傾向にあることが判明した。
使用された抗精神病薬の種類に関しては、2002年~2004年と2008年~2010年の比較において「第一世代抗精神病薬」は減少、「第二世代抗精神病薬」は増加し、薬の切り替えが進んでいるとみられる。
2008年~2010年に認知症患者へ投与された向精神薬については、抗不安薬の処方割合は12%、バルプロ酸ナトリウム(気分安定薬)の処方割合は1.9%。ただしこれらの薬については、諸外国の調査において投与する根拠がないともいわれており、使用に際しては注意が必要である。
(画像は医療経済研究機構のホームページより)
▼外部リンク
医療経済研究機構 プレスリリース「認知症患者への向精神薬処方の経年変化に関する研究について」
医療経済研究機構
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