「運動+乳製品」が認知症やガンなどの根本原因に効果

2017年6月19日

下肢筋力の向上を促進、炎症促進遺伝子の活性を抑制

信州大学大学院医学系研究科と同大学バイオメディカル研究所、NPO法人・熟年体育大学リサーチセンター、徳島大学大学院および株式会社明治の共同研究グループは、運動に乳製品の摂取を組み合わせることで、高齢女性の下肢筋力向上が促進し、体内の炎症促進遺伝子の活性が抑制されるとの研究結果を発表しました。

この研究成果は5月17日に国際科学雑誌PLOS ONEオンライン版で公開されました。

インターバル速歩とミルクプロテインの摂取

最近の研究では、認知症やガン、糖尿病、動脈硬化の根本原因として、加齢に伴う筋萎縮から起こる体内の慢性炎症が有力視されています。そのため、こうした疾患の予防には慢性炎症の抑制が重要だと考えられるようになりました。

今回の研究は、ミルクプロテインの有用性を研究する中で行われたもので、6ヶ月以上インターバル速歩トレーニングを継続している女性37名(平均年齢66歳)を対象に行われました。

37名の被験者を「インターバル速歩のみ」「インターバル速歩+低乳製品摂取(ミルクプロテイン 4.1g/日摂取)」「インターバル速歩+高乳製品摂取(ミルクプロテイン 12.3g/日摂取)」の3つの群に無作為に分け、その後5ヶ月間インターバル速歩トレーニングを実施。実験前後の筋力と炎症促進遺伝子の不活性化を測定しました。

運動だけでは炎症促進遺伝子の不活性化は見られず

その結果、「インターバル速歩+高乳製品摂取」群で筋力が平均8%増加。次いで、「インターバル速歩+低乳製品摂取」群でも筋力の増加が見られましたが、「インターバル速歩のみ」群では筋力は増加しないという結果に。

また、炎症反応を引き起こすNFKB1、NFKB2遺伝子のメチル化(不活性化)は、「インターバル速歩+高乳製品摂取」群でトレーニング前に比べて、それぞれ平均29%、44%増加。一方、「インターバル速歩のみ」群では両遺伝子の不活性化した量は変化せず、「インターバル速歩+低乳製品摂取」群では、先の2群の中間の増加量を示しました。

さらに、全遺伝子のメチル化を測定した結果、「インターバル速歩+高乳製品摂取」群では「インターバル速歩のみ」群に比べ、NFKB遺伝子以外の炎症促進遺伝子群の不活性化も促進するという結果に。

以上から、「運動+乳製品」が「運動のみ」に比べ、筋力向上を促進し、体内の慢性炎症を抑制することが明らかとなりました。これは、生活習慣病とそれに伴う認知症などの疾患の予防には、「運動+乳製品」が効果があると示唆するものです。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
信州大学大学ほか共同研究グループ プレスリリース
PLOS ONEオンライン掲載文


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