アルツハイマー型認知症の行動障害を改善する抗精神病薬についての報告

2017年5月30日

アルツハイマー型認知症患者の50%にみられる症状

大塚製薬株式会社とデンマークのルンドベック社が、両社が共同開発・販売をしている抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」について、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害を対象とした2つのフェーズ3試験を行いました。その結果、両試験とも行動障害の改善を示しましたが、一貫した結果が得られませんでした。

アルツハイマー型認知症の患者の約50%は、介護者に対する暴言・暴力・錯乱などの行動障害を起こすといわれ、介護施設への入居や介護者の負担が懸念されています。

北米、欧州、ロシアで同時に実施

今回の2つの試験は、米欧でのブレクスピプラゾールの効能追加が目的。試験の対象は、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害を有する51歳から90歳の患者約700名で、多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験で行われました。

1つ目の試験では、1日にブレクスピプラゾール1mgを投与する群、1日に2mg投与する群、プラセボ(偽薬)投与群に分け、12週間投与したときの有効性と安全性を比較検討しました。また、2つ目の試験では、日によってブレクスピプラゾールを投与する量を0.5~2mgの間で変える群、プラセボ投与群に分け、12週間投与したときの有効性と安全性および忍容性について比較検討。これらの試験は北米、欧州およびロシアで実施されました。

標準ケアの違いによって試験結果にばらつきか

試験結果速報では両試験とも、ブレクスピプラゾールを投与した患者はプラセボを投与した患者と比べて、アルツハイマー型認知症の行動障害にの改善がみられたものの、参加した国ごとにばらつきがみられました。これは各国のアルツハイマー型認知症における標準ケアの違いによって生じた可能性があります。

特にロシアで実施した試験においては、ブレクスピプラゾール投与群とプラセボ群の間に差がみられませんでした。 安全性と忍容性に関しては、2つの試験ともブレクスピプラゾールの統合失調症とうつ病補助療法で以前に行われた試験と同程度でした。

大塚製薬株式会社とルンドベック社は、この試験結果について米国FDA(米国食品医薬品局)と協議して進める方針です。また、試験結果の詳細は、今後行われる学会で公表していく予定だとしています。

▼外部リンク
大塚製薬株式会社プレスリリース


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