理研共同チーム、脳の働きに重要なIP3受容体の動作原理を解明

2017年5月8日

認知症の新薬開発に有効な新成果

理化学研究所 脳科学総合研究センター、発生神経生物研究チームは、記憶や学習などの脳機能に必要なカルシウムチャネル(カルシウムを放出する穴)であるIP3受容体(イノシトール三リン酸受容体)の動作原理を解明しました。

認知症の主な原因とされる神経変性にIP3受容体が関わることも知られており、IP3受容体の動作原理の解明は認知症の治療薬や予防法の開発にもつながると考えられます。

論文は、米国の科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」に掲載されました。

重要なたんぱく質のしくみを解明

物を見たり考えたりできるのは、脳内の受容体たんぱく質の働きによります。この受容体たんぱく質が働くしくみを理解することは、脳活動の分子メカニズムを知り、脳の病気を治すのに役立つのです。

IP3受容体も細胞内小器官「小胞体」にあるたんぱく質。細胞は外部から刺激を受けると、カルシウムイオンを放出して濃度を一時的に増加させ、神経の興奮、免疫応答、細胞死などさまざまな生命現象を引き起こします。

このとき、カルシウムイオンを外に出す水道の蛇口のような役割をするのがIP3受容体です。

カルシウムイオンは細胞内で情報伝達の役割を担っているため、その制御がうまくいかないと神経疾患など、さまざまな疾患の原因となります。

今回の研究で、IP3結合部位の変化を伝達するしくみがわかりました。認知症の原因となる神経変性との関与が知られるIP3受容体の解明が進んだことは、今後、神経疾患や認知症の創薬ターゲットとして役立つことが期待されます。

▼外部リンク
理化学研究所と科学技術振興機構(JST) 脳の働きに重要なIP3受容体の動作原理を解明


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