脳内の老廃物蓄積を抑制するポリフェノール、新薬開発へ

2017年4月17日

アミロイドβの脳血管への蓄積をタキシフォリンが抑制

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)研究所再生医療部の研究チームが、アルツハイマー病を発症する老廃物「アミロイドβ」の脳血管への蓄積を、「タキシフォリン」が抑制することを突き止めました。

タキシフォリンはポリフェノールの一種。研究結果は英国の専門誌「Acta Neuropathologica Communications」に掲載されました。認知症新規治療薬の開発へ向け、今年度中の治験開始を目指します。

脳血流量や認知機能も回復

アルツハイマー病の原因は長らく原因不明とされてきましたが、最近の研究でアミロイドβというタンパク質が脳血管へ蓄積する「脳アミロイド血管症」が一因であることがわかってきました。

同センターの齊藤流動研究員らのチームと京都大などの研究チームは、アミロイドβが蓄積してできる毒性をもった立体構造「アミロイドβオリゴマー」が、初期の脳アミロイド血管症の主因であると仮定。アミロイドが凝り固まるのを抑制する効果を持つポリフェノールの一種「タキシフォリン」に着目し、脳アミロイド血管症のマウスにタキシフォリンを投与しました。

そして、タキシフォリン非投与のマウスと正常のマウスとともに比較した結果、タキシフォリンを投与したマウスは脳内のアミロイドβオリゴマーが、非投与のマウスに比べて4分の1程度まで減少。記憶の中枢である海馬へのアミロイドβ沈着量も、タキシフォリンを投与されたマウスは非投与に比べて半分程度という結果に。さらに、脳血流量や認知機能も正常に近い状態まで回復することが確認されました。

今年度中に治験開始、2025年中に臨床応用を目指す

タキシフォリンによって脳内のアミロイドβが減少しただけでなく、認知機能障害までも回復することが明らかになったことで、タキシフォリンはアルツハイマー病の有効な治療薬候補となりました。今後は認知症新規治療薬としてヒトへの効果を確認するため、2017年度中の治験開始と2025年中の臨床応用を目指すとのことです。
(画像は国立循環器研究センタープレスリリースより)

▼外部リンク
国立循環器病研究センタープレスリリース


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