高齢化社会と自動車運転 データから浮かび上がる論点は
2017年3月13日
地域によって認識に差も
1月と2月に開催された「高齢者運転事故防止に関する有識者会議」の配付資料が警察庁HPにて公開されています。

その中で認知症者の自動車運転について、大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室の池田 学氏が資料を提出しました。
それによると高齢者講習受講者3000名に対するアンケート調査の結果として、『認知症患者は運転を止めるべき』と考えている人の割合は、人口80万人のS市、人口3.7万人のI市、人口4.5千人のN町のいずれにおいても90%前後という高い割合を記録しています。
ただし「自分が運転できないと日常生活で困る」と考える人は、I市、N町では1割前後だったものの、S市では4割近くの人が困ると考えている現状が浮かび上がりました。
池田 学先生の運転に関する講演はこちら(シリーズ道路交通法)自主返納した後の生活基盤をどう維持するか
一方、横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 日本認知症学会理事長の秋山 治彦氏も資料を提出しました。
認知症疾患の特徴を踏まえた上で、認知機能低下(特に軽度・早期の場合)と運転技能・適性との関係を明確にし、交通インフラ・サービスの整備・充実をはかることの重要性が示されました。
運転免許の自主返納の促進が,重要である。その大前提として,自主返納後の生活支援策が喫緊の課題である。多様な支援策が自主返納率の向上に効果を上げている地域もあるが,地域差が大きい。
(プレスリリースより引用)
(画像は警察庁HPより)
▼外部リンク
第2回 高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議配布資料一覧
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