認知症治療に期待、インスリンシグナルと記憶力低下に関連性

2017年2月28日

インスリンシグナルと記憶力の関わりを解明

千葉大学大学院薬学研究院の研究グループは、血糖値の調節や代謝を制御するインスリンを細胞内に伝える仕組み、インスリンシグナルと加齢による記憶力低下との関わりを研究、その成果を米国時間2月14日に国際科学誌「Cell Reports」に公開しました。

ショウジョウバエを用いた研究で

殿城亜矢子助教と伊藤素行教授の研究グループが発表したのは、ショウジョウバエを用いたインスリンが記憶を制御するメカニズムについての研究成果。

哺乳類から昆虫まで幅広い生物の体内で行われており、発生や成長、代謝の制御で重要な役割を果たしているインスリンシグナルに注目し、学習・記憶を簡単に測定できるショウジョウバエを用いることでその関わりを探りました。

加齢によるインスリンシグナルの低下が記憶力低下につながると

研究結果によると、細胞内にシグナルを伝えるインスリンシグナルは、記憶を維持するために必要であることが明らかになりました。

またインスリンを受け取る受容体は筋肉や脂肪組織、神経細胞などさまざまな場所に分布しているものの、その中でも脂肪組織におけるインスリン受容体が記憶の維持に重要であることも分かりました。

さらにインスリンなどの機能を分担しているホルモンDilp3は加齢とともに著しく低下するものの、若いショウジョウバエと同様に現れるようにしたところ記憶力が向上することも判明しました。

今後は認知症の治療への応用にも期待が

加齢によるインスリンシグナルの低下と記憶力の衰えの関連が解き明かされた今回の研究成果。学習や記憶の仕組みの解明、加齢による記憶力低下の原因究明につながると同研究チームはみており、今後は認知症の治療にもつなげられると期待が寄せられています。


▼外部リンク
国立大学法人千葉大学のプレスリリース


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