認知機能は50歳を境に低下~認知機能チェック受検者1万人突破~
「認知機能チェック」は、認知症の前段階と言われるMCI(軽度認知障害)で起こるとされる認知機能の低下を5分程度でセルフチェックし、認知症の予防を促すことを目的としたものです。認知機能を「記憶力」「計算力」「言語能力」「遂行能力」「判断力」の5つに分類し、それぞれの機能に対応した簡単な問題を解くことで、認知機能の状態を可視化することができます。
認知症ねっとにおいて2016年11月より提供を開始した「認知機能チェック」ツールの受検者が、約1か月間で1万人を突破しました。
この受検結果をひろかわクリニック院長、広川慶裕先生に分析いただいたところ、認知機能は50歳頃より徐々に低下をはじめ、55歳頃から明らかな低下がみられることがわかりました。そのため、認知機能低下前の40歳頃から、認知症の予防に取り組むことが大切であると考えられます。
受検結果調査の概要
年代別にそれぞれの認知機能をみると、全般的な傾向としては上図のように、認知機能は40歳頃まで穏やかに上昇し、その後50歳頃より徐々に低下する傾向が認められます。
まず50歳頃から遂行力・計算力が低下し始め、判断力が55歳頃から低下することを背景に「認知機能は50歳頃にはすでに低下が始まっていることが明らか」と広川先生。
全体として認知機能は、50歳頃にはすでに低下が始まっており、記憶力、中でも特にワーキングメモリ、遅延再生の低下が大きく、さらに、より高次の遂行力、あるいは推論力の低下は、より早期に始まっているのにに対して、言語能力やエピソード記憶は70歳頃まで比較的機能が保たれる傾向にあるようです。
■認知機能は50歳頃には低下を開始
■認知機能の中でも高次な「遂行力」「判断力」がより早期に低下している
■言語能力」は70歳頃まで比較的機能が保たれる傾向
■「記憶力」のうち「ワーキングメモリ」「遅延再生」の機能は50歳頃から低下が始まるが、「エピソード記憶」機能は70歳頃まで保たれる
■「判断力」のうち「注意力」が、他の機能に比べて早期から大きく低下する傾向がある
※詳細な分析結果は外部リンクをご覧ください。
広川慶裕先生プロフィール
「認知機能チェック」を監修いただいている広川先生は、当サイトの認トレ教室でもお馴染み。 京都大学医学部付属病院精神科勤務後、大阪府内の精神科病院長を務めた際、重度認知症患者の「先生、ありがとう」という最期の言葉に認知症治療の使命感を強く感じ、平成13年より本格的に認知症治療と予防に関わることになりました。
2014年6月より認知症予防と働く人のメンタルヘルスに特化した『ひろかわクリニック』『品川駅前MCI相談室』を開院し、当サイトでは記事のほか、「認トレ教室」の監修も行っています。
▼関連リンク
認知機能チェック
広川先生のMCIコラム
▼外部リンク
認知機能は50歳を境に低下、40代からの認知症予防が重要と判明
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