映画「話す犬を、放す」試写会に、認知症ねっと読者が参加
認知症ねっとでたびたび紹介している映画「話す犬を、放す」。売れない女優とレビー小体型認知症を発症した母の葛藤を独特のユーモアを交えながら温かく見つめ、人間賛歌へと昇華させたこの映画は、第13回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016、第29回東京国際映画祭などで上映され、高い評価を受けています。
3月の公開に先がけ、1月に都内で開催された関係者試写会に、認知症ねっと読者の皆様をご招待しました。
レビー小体型認知症がテーマのこの映画には、読者の皆様からも大きな興味が寄せられ、試写会のご招待にも多くのご応募をいただきました。皆様から伺った感想をご紹介します。
印象に残ったシーン
「イライラをぶつけてしまうシーン・それに対して母親が謝るシーン」
「母親がキッチンで混乱するシーン」
「医者とのやり取り」
「幻視」
「冷蔵庫になべを入れたシーン」
といった、認知症を身近に捉える読者の方々ならではの、現実的な回答も多く見受けられました。
もちろん、そのほかにも映画ならではの名シーンも挙がっています。
「赤いスニーカー、希望の光に感じた」
「最後の方のラジオのシーンやシーツを張るシーン」
「チロを捨てに行った林に再び訪れたシーン」
「母と娘が草原でお礼を言い合うところ」
この映画のどんなところがよかったですか?
映画全体の「よかったところ」を伺った質問でも、「父母が高齢の中、レビー小体型認知症について知ることができた」「レビー小体型認知症の世界観が自然に描かれていた」というように、認知症を主軸に据えた感想が目立ったのも特徴です。中には「自分と照らし合わせてしまい、辛かった」とおっしゃる方も。
しかし、そもそもは「ハートフルコメディ」を謳った人間賛歌であるこちらの映画。以下のような感想もいただいています。
「脚本が好き」「繊細なストーリーの中、温かいラストがよかった」
「病気を題材にしながら笑えるところもあってよかった」
「過去と現在の絡みから人の関わりを考えさせられ、エンターテイメントとしても楽しめた」
「とても繊細なストーリーだけど暖かい映画でラストが良かった。思いやる心は大切と思った」
<STORY>
俳優スクールで教えながら、芝居を続ける売れない女優・下村レイコ(つみきみほ)。
彼女のもとに、人気俳優になった学生時代の劇団仲間・三田大輔(眞島秀和)から映画出演の話が舞い込む。
突然のチャンスに舞い上がるレイコに、母ユキエ(田島令子)から電話がかかってくる。
昔、飼っていた犬のチロが時々帰ってきて困惑しているのだと。ユキエは“レビー小体型認知症”を発症し“幻視”に悩んでいた。
一人にするわけにもいかず、映画出演と母との生活を両立させようとするレイコ。
しかしそんな折、母から意外な告白が・・・。
2016年/日本/84分
監督・脚本:熊谷まどか
出演:つみきみほ 田島令子/眞島秀和 木乃江祐希
製作:埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
制作:デジタルSKIPステーション、オフィス・シロウズ
特別協力:川口市
配給・宣伝:アティカス
Ⓒ2016埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
2017年3月11日(土) 有楽町スバル座ほかにて全国公開
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