認知症ねっと:今週のおすすめ書籍

2016年12月18日

取材で得た正しい情報を伝える「クロワッサン特別編集 認知症を生きる」

雑誌「クロワッサン」が、認知症を知るための情報を集めたムック(雑誌サイズの書籍)をご紹介します。 監修は、東京都三鷹市で認知症等の診察・治療を行っている「のぞみメモリークリニック」の院長である、木之下徹氏。

この本では、原因がはっきり突き止められておらず、また予防や治療法も確立されているといいがたい認知症について、当事者や医師への取材をもとに、まずは正しい情報を整理して読者に伝える、ということに主眼が置かれています。

取材した当事者は、薬で進行を遅らせながら以前と変わらない生活を送っている、その毎日について話してもらった内容を紹介しています。

また、認知症とたたかう医師たちに、「認知症になってもできることがある」という考え方や具体的な方法について聞いています。

マガジンハウス発行、116ページ、900円(税込み)。

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認知症の見方が変わる「認知症ガーデン」

イラストレータだった著者・上野冨紗子氏が、両親の介護をきっかけに始めたデイケア。そこへ認知症になった親や夫・妻が家族に連れられてきます。

そんな認知症の人たちがデイケアで見せる行動やスタッフとのやり取りが、何が認知症の本当の問題なのかを語っています。

例えば、認知症の人が、自宅で著者を出迎えて応接したときに見せた、「配慮」、「気づかい」、「マナー」。著者は、このような高度な「社会性」があることが分かり、「認知症の人は、〈社会的まなざし〉を失ってしまうと思っていたが、ある種の社会性はちゃんと保たれていた」という結論を出した、としています。

このような視点から、「老いた人の場」が社会に与えられるのか、を読者に問いかけています。
著者は、上野氏と、まちにて冒険隊の共著。新曜社発行、A5判136ページ、1,600円(税別)。

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クロワッサン特別編集 認知症を生きる
認知症ガーデン


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