「赤い」高機能茶が認知機能低下を抑える~日本製紙等の研究
あの銘茶よりも効果が高い?
日本製紙株式会社(以下、日本製紙)は11月18日、普及への取り組みを進めている高機能茶「サンルージュ」について、アルツハイマー治療薬の効能でもあるアセチルコリンエステラーゼ阻害効果が、各種の緑茶よりも高いことを、九州大学との共同研究で明らかにしたと発表しました。
アセチルコリンエステラーゼとは、神経伝達物質の一つ「アセチルコリン」を分解する酵素です。
アルツハイマー病の脳内では、この「アセチルコリン」が少ないことが知られていますが、「アセチルコリン」を分解するアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害することで、「アセチルコリン」の減少が抑えられるのでは、と考えられています。
実際に、一部のアルツハイマー治療薬は、この酵素の働きを阻害する薬です。
日本製紙と九州大学によるこの研究では、「サンルージュ」のアセチルコリンエステラーゼ阻害効果は、緑茶の「やぶきた」よりも4.4倍、「さえみどり」より10倍も高いことが確認されました。
さらに研究では、マウスによる実験で、「サンルージュ」を継続的に摂取することで、加齢による認知機能の低下が抑制されることが明らかになりました。その効果は、緑茶の一つ「やぶきた」よりも高かったとのことです。
認知症予防だけでない「サンルージュ」の数々の効能
「サンルージュ」とは、農業・食品産業技術総合研究機構で育種された品種で、赤い色が特徴のお茶です。
緑茶の成分として知られる「カテキン」の他に、赤いお茶の色を作り出している「アントシアニン」も含まれていて、抗疲労・抗ストレス作用や眼精疲労改善の効果が得られることがわかっていました。
最近の研究では、「サンルージュ」は、メタボリックシンドロームの予防にも効果があることや、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があることもわかってきました。
このように数々の効能を持つ「サンルージュ」ですが、挿し木によって増やすことが難しい、という普及上の問題がありました。
日本製紙はもともと高度な挿し木の技術を持っていましたが、農林水産省の研究事業に協力して、「サンルージュ」の挿し木を増やす新しい方法を開発しました。
日本製紙は、今後も九州大学と協力して認知症予防効果の研究を進めていく一方、一日も早く普及が進むよう、啓発活動等を行っていくとのことです。
(画像はプレスリリースより)
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