アルツハイマーの脳糖尿病説肯定か

2016年11月21日

メマチンが脳内のインスリンシグナル改善治療薬開発に光か

平成28年11月4日、アルツハイマー型認知症の治療薬であるメマンチンについて脳内におけるインスリンシグナルに関わる、ATP感受性カリウムチャネルの阻害効果が新たに見つけられたと東北大学が発表しました。

なお、当該研究に当たったのは東北大学大学院薬学研究科所属の守口茂樹講師及び、福永浩二教授らによる研究グループです。

NMDA阻害薬メマンチンが脳内のインスリンシグナルを改善

アルツハイマー型認知症に対する治療薬は、4種類が承認をされています。しかし、これらは全てその進行を遅らせるものであり根治的なものではありません。

こうした中、現在用いられているアルツハイマー治療薬メマンチンはNMDA阻害薬というものであり、平成23年に承認された最新治療薬です。

そして今回このメマンチンにおいて、脳内のインスリンシグナルに関するATP感受性カリウムチャネルの阻害効果が、新たに発見されたのです。また、このことは今後のアルツハイマーに対する治療薬の創薬ターゲットが、ATP感受性カリウムチャネルであることも示しています。

アルツハイマーを引き起こす原因仮説「脳糖尿病仮説」を肯定

今回のこの研究結果は、諸説あるアルツハイマーの原因仮説の1つである、脳糖尿病仮説を世界で初めて肯定するものとなりました。

これは、先の創薬ターゲットの件と合わせ治療薬開発を大きく前進させ得るものだと言えます。

詳しくは、外部リンクを参照して下さい。

▼外部リンク
メマンチンは脳インスリンシグナルを改善する -アルツハイマー病の糖尿病仮説の実証-(PDF)
メマンチンは脳インスリンシグナルを改善する -アルツハイマー病の糖尿病仮説の実証-(HTML)


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