認知症治療薬開発はノーベル賞を受賞した日本人の研究が鍵に

2016年10月27日

TBSラジオで医学ジャーナリストが解説

TBSラジオの平日朝の番組「森本毅郎・スタンバイ!」では、10月3日の「日本全国8時です」のコーナーで、アルツハイマー病治療の現在と未来についてゲストのジャーナリストが解説しました。

レギュラーゲストで医学ジャーナリストの松井宏夫氏は、ノーベル医学・生理学賞を日本人の研究者が受賞したことに関連して、この話題を取り上げました。

受賞した大隅良典さんの研究は、様々な病気の治療に応用が可能だとして期待されていますが、その一つが、アルツハイマー病の治療です。

アルツハイマー病では、「アミロイドβタンパク」というタンパク質が脳内に多くたまると、神経細胞の働きが邪魔されて脳が萎縮してしまう、という病気ですが、現在アルツハイマー病の治療に使われている薬は、このタンパク質に直接関与するものではありません。

それらの薬の種類は2つあります。1つは、脳の神経細胞間の情報伝達を活発にし、脳を活性化する薬です。もう1種類の薬は、非常に怒りっぽくなる等といった脳の興奮状態を鎮める薬です。

現在始まっている研究は、アミロイドβタンパクを減らす薬を創ろうというものです。そこで鍵になるのが、今回ノーベル賞を受賞した大隅さんの研究です。

大隅さんは、細胞が自分のタンパク質を一度分解し、それを利用してまた新しいタンパク質を生み出す「オートファジー」と呼ばれる現象を解き明かました。

このオートファジーを活性化することができれば、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβタンパクを減らすことにつながりそうです。今後、治験を経て10年以内にも、こうした治療薬が実用化されるのでは、と期待されています。

未来はともかく、いまできることは

高齢になるとタンパク質を分解する働きが低下し、アミロイドβタンパクがたまってしまいます。

だいたい、アルツハイマー病を発症する10年もしくは20年前からたまり始めます。例えば70歳で発症する人は、50代からアミロイド・ベータ・タンパクがたまり始めている可能性があります。

このタンパク質をためない方法は、生活習慣病のコントロールです。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が、認知症のリスクを高めます。生活習慣病がコントロールされていないとタンパク質が増えやすくなり、特に糖尿病の人は、アルツハイマー病になるリスクが2倍になると言われています。

既にアルツハイマー病を発症している人は、現在ある薬で治療を行うことになりますが、予防法としては、1日30分、週に3回以上の運動と、人との会話を勧めています。

▼外部リンク
TBSラジオ


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