新刊「そうだったんだ!認知症」~やさしい文章とイラストで
2016年11月2日
「認知症=もの忘れ」とせず、認知症の見逃しを防ごう
文光堂は「そうだったんだ!認知症」を出版した。
認知症を「もの忘れ」程度の認識でいる医療従事者は多い。このため、一般病院の外来や病棟では軽度~中等度の認知症患者が数多く見逃されており、適切な治療・ケアを受けていない。このことが原因で様々なトラブルが起こっているが、そうした問題と対応法はこれまであまり知られてこなかった。
認知症をもつ患者は、急性期・一般病院では当たり前のようにいるが、 認知症ケアの本が解くような「何度も同じ話を繰り返す」「迷子になった」等、いかにも認知症らしいエピソードで現れることは少ない。
同書では、認知症を見抜くポイントの例として、
「特に消化器の問題はないのに食事が進まない」とか
「元気に退院をしたのに一週間も経たずに脱水になって再入院をしてきた」
などのちょっとしたトラブルの背景に,潜んでいることが多いのです
(ホームページより)
を挙げている。
このように同書では、「よくある」エピソードを中心に初学者向けにやさしい文章とイラストで解説し、忙しい医療現場でも認知症にすぐに気づくためのポイントを記している。
「治療やケアがうまくいかないのは認知症のせい?」
第3章「認知症と認知症でないものを区別する」では、「身体疾患を鑑別せずに認知症と診断しないこと」「せん妄との鑑別」「うつ病との鑑別」「薬剤による認知機能低下」を解説。
第4章は「こんなときどうする? 一般病院で認知症が問題になるケース」として、軽度の認知症(認知症の人が抱える困難感)、中等度以上の認知症(認知症の人のコミュニケーション)、食事を摂らない、といった例を取り上げている。
第5章「認知症患者・家族のためにすぐに始められる工夫」では、環境調整や退院支援、家族の苦痛と介護の負担に配慮した家族へのケア、等について提起している。
編者は、国立がん研究センター東病院精神腫瘍科長の小川朝生氏。
A5判188ページで、定価 3,780円(税込み)。
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