学習療法により、認知機能維持・回復および介護費用削減に効果

2016年10月13日

学習療法は、認知症に大きく効果あり

公文教育研究会は、「学習療法」が認知症高齢者の認知機能回復と認知症予防に効果を発揮し、介護費用の削減効果が期待できると発表した。

同結果は、公文が2016年6月末まで調査を実施した、認知症高齢者および認知症予防プログラム参加者に対する調査によって明らかとなった。

学習療法とは、認知症を患う高齢者の脳機能維持と改善を目的とした非薬物療法で、その効果は既に科学的に証明されている。KUMONと東北大学教授の川島隆太氏、福岡県に所在する社会福祉法人の道海永寿会との共同研究により開発された療法である。

約20万円の介護費用削減

学習療法を受けた人たちは、1年後の介護時間はほぼ変わらなかった。また、1年間で1人あたり平均約20万円の介護費用の節約効果が出た。

一方で、学習療法を受けていない人たちの介護時間は増加し、要介護認定基準時間でみると、要介護度が1つ上がる程度の差が出た。

社会的効果も実感、認知症予備軍にも効果あり

また、社会的観点からみると、約9割の介護職員が認知機能回復の効果を感じており、認知機能回復の効果が出てくることで、学習療法を受ける人と職員とのコミュニケーションが増加し、職員のやる気や認知症ケアの質向上に結びついていることが明らかとなった。

認知症の疑いがある人たちが、週1回5か月間の学習療法を受けることで、認知機能の維持および回復効果が出ることが明らかとなった。

学習療法の実施により、認知症患者および認知症の疑いを持つ人たちが、効果的に認知機能維持・回復の恩恵を受け、社会的にも費用対効果の観点でも、効果が大きいことが明らかとなった結果となった。
(画像はイメージです)

▼外部リンク
公文教育研究会 プレスリリース


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