新薬アデュカヌマブ アミロイドβの減少を確認
2016年9月6日
アデュカヌマブ治験にてアルツハイマー病の原因物質の減少を確認
平成28年8月30日、1年間にわたる治験により現在開発中のアルツハイマー病新薬アデュカヌマブにおいて、アルツハイマー病を引き起こす原因となっている物質、アミロイドβの減少が見られたとイギリス科学誌Natureにて発表された。
なお今回の開発に当たりこれを発表したのは、アメリカのバイオジェン社等で構成される研究チームである。
初期段階のアルツハイマー病にて効果を示す
今回の治験で用いられた新薬アデュカヌマブは、治療対象となる患者の抗体から得た遺伝子を組み換えることによって作られる。そして、これによりアミロイドβの除去ひいてはこれの脳内における減少を図る。
また当該治験では、60代から80代までの既に軽いアルツハイマー病を発症しているものを、その被験対象として彼らに1年間に渡り月に1回のペースで投薬し、これの効果性及び安全性について検証したのだ。
結果、被験者中165人にて効果が見られ治験開始から1年後の間に、最も減少の幅が大きかった者ではアルツハイマー病を発症していない者と、ほぼ同レベルまでアミロイドβが減少したのである。
これは、PET(陽電子放射断層撮影)によって確認された。
アミロイドβをターゲットとする治療研究に光明か
一方で、被験対象者のうち20人にて頭痛やむくみと言った副作用が現れたため、投薬が中止されている。
これまでアミロイドβの減少をその目的とする、アルツハイマー病治療のための新薬開発が思うように進展しなかった。
だが、アジアや欧米での治験が予定されていることと今回の結果を鑑みれば、アルツハイマー病の予防や治療に役立ち新薬の誕生を期待できると言える。
▼外部リンク
nature
バイオジェン・アイデック・ジャパン
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