車中で歌う父子、支援団体へ多額の寄付へ~イギリス
電話の向こうで助けてくれた「見ず知らずの方々」へ感謝
認知症患者とその家族を支援するイギリスの団体、Alzheimer’s Society(以下、英アルツハイマー協会)は8月21日、認知症の父親を持つ男性が呼び掛けた募金の金額が10万英ポンド(約1,340万円)に達した、と発表した。
この募金は英アルツハイマー協会に寄付されることになっている。
2人の名前は、Simon ‘Mac’ McDermott(サイモン・マクダーモット)とTeddy(テディ)。父親のテディはイギリス各地のクラブを回る元プロシンガーで、数年前に認知症を発症。
息子サイモンさんに対する攻撃的な言動が症状の進行とともに次第に増え、困り果てたサイモンさんは英アルツハイマー協会のヘルプライン(相談電話窓口)に相談。悩みを打ち明け、親身に相談に乗ってくれたことが支えとなった。
サイモンさんは「赤の他人なのに、相談窓口の方は私たちをどれほど助けてくれたことか」と述べている。
そんな英アルツハイマー協会への感謝の気持ちを表すため、募金活動を開始した。
ふれ合いのヒントは父親の人生にあった
父親の攻撃的な言動は、あるときだけ止むことに気づいた。それは、テッドさんの人生で大きな位置を占める「歌を歌う」とき。酒場回りをするシンガーであったテッドさんはたくさんの歌を知っていて、記憶が薄らいでも歌だけは忘れていなかった。
そこでサイモンさんは車の中で歌う「carpool karaoke」をやることを思いついた。
カーステレオの音量を上げ、誰の遠慮もなく機嫌よく歌うテッドさんと、それを嬉しそうに見ながら一緒に楽しむ息子のサイモンさん。
そしてこの様子の動画を、「The songaminute man」というチャンネルでYouTubeにアップした。このチャンネル名は、知っている曲数の多さからついたテッドさんのニックネーム。
視聴回数が100万回を超える動画もあり、いくつものニュースサイトが取り上げるなど、人気が広がっていった。
募金は、このチャンネルとタイアップして、チャリティ向けのファンドレイジングサイト「JustGiving」で6月8日に開始。目標金額は1,000英ポンド。それが2ヶ月あまりで目標の100倍の金額が、7,000名以上の人から集まった。
▼外部リンク
英アルツハイマー協会ニュースリリース(英語)
募金サイトJustGiving(英語)
YouTubeチャンネル
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