尿漏れが認知症予防に有効な外出を遠ざける要因に

2016年8月19日

尿漏れに対する不安感や認知症リスクへの影響を調査

多くの高齢者が経験する尿漏れ及び増加傾向にある認知症間との関係性について、調査を行ったとユニ・チャーム株式会社が発表した。
その結果、尿漏れへの不安感がいわゆる引きこもり状態を引き起こし、それが認知症リスクを高めることが明らかとなった。

尿漏れの及ぼす心因的影響

今回の調査は、30歳から79歳の500人を対象に平成28年5月20日から5月30日まで、インターネットにより行われた。
それによると、とりわけ60代から70代の尿漏れ経験者のうち6割以上のものが尿漏れを理由に、長時間による外出を不安に感じ、この中でも4人に1人となる25.9%の者が、同じ理由により1週間のうち5日以上外出をしていないのである。

また、調査対象者のうち49.8%のおおよそ5割が尿漏れを理由に気分が落ち込むとしており、頻度が増えるほどその気分の落ち込みが生じていた。
加えて全体の約半数がそれの日常生活への不安を実に感じていたと答えている。

尿漏れは認知症リスクの抑制に役立つ外出の機会を減少させる

そうした一方で、既存の研究から外出の認知症予防効果は明らかとなっている。
それによると外出機会の多い場合と少ない場合を比べたとき、外出機会の少ない方が2年後において軽度認知障がいを発生させるのだ。
これは、外出機会の減少による歩行量の減少も1つの要因といえる。

こうした事実と先の調査結果を合わせたとき、尿漏れを理由に外出機会が減少することは、外出の持つ認知症発症リスクの抑止効果を減少させ、逆説的に認知機能障がいや認知症自体のリスクを上げさせることは明白だ。
よって、尿漏れ対策を適切に取り入れそれによる不安を軽減させることが、認知症予防の一助となるのである。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
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