世界初の認知症予防ワクチンが誕生?
オーストラリアとアメリカの共同開発
オーストラリアのフリンダース大学(Flinders University)は、7月13日、同大学の研究チームと、アメリカのカリフォルニア大学分子医学研究所との共同開発により、アルツハイマー型認知症の予防に有効なワクチンの開発に成功したと発表した。
アメリカはこの研究に多額の資金援助をおこなっている。世界保健機関は、認知症治療薬の開発や認知症に関連する病気の治療、また介護事業に対し、1年間に世界規模で600億ドル以上を費やしていると発表。認知症治療薬の開発は、世界的にも喫緊の課題となっている。
タンパク質の蓄積を阻止
フリンダース大学研究チームのニコライ・ペトロフスキー(Nikolai Petrovsky)教授によると、開発されたワクチンは、認知症の症状を引きおこすとされている脳内のアミロイドベータとタウタンパク質の蓄積に対し、それを分解する働きをもつという。
同研究は、現在前臨床試験の段階にあるが、3~5年の間に、人間における新しいワクチンの免疫原性および有効性に関する治験が開始される予定だと教授は述べている。
認知症を予防するワクチンに期待
新ワクチンがアルツハイマー型認知症の予防に有効であることが実証された場合、認知症の初期段階である人、あるいは健康であっても認知症のリスクが考えられる人にワクチンを投与することで、認知症を予防できる可能性がある。
これまで、認知症の進行を遅らせる医薬品の開発はおこなわれてきたが、認知症を予防するワクチンは未だ発見されていない。世界初となるアルツハイマー病予防ワクチンが、近い将来に医療現場で使用されることを期待したい。
(画像はプレスリリースより)
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「Progress in world’s first Alzheimer’s vaccine」Flinders University News
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