先進国では認知症発症率は低下傾向にある?

2016年4月13日

認知症発症率の経時的傾向に関する調査

Satizabal博士の研究グループは2月11日に発行された『The New England Journal of Medicine』(第374巻第6号)の中で、「フラミンガム心臓研究における 30 年間での認知症発症率」(Incidence of Dementia over Three Decades in the Framingham Heart Study)を発表した。

フラミンガム心臓研究の参加者を対象に検証

最近の推計で高所得国における認知症の年齢別発症率が低下していることが明らかにされつつある。そこでSatizabal博士の研究グループは、マサチューセッツ州の「フラミンガム心臓研究」の参加者を対象に、認知症発症率の 30 年間の経時的傾向を検証し、報告した。

5年発症率と低下要因を分析

フラミンガム心臓研究に参加する60 歳以上の5,205人を解析対象とし、1975 年以降の認知所発症率の調査を行った。年齢と性別で補正した4つの年代区分それぞれにおける認知症の5年発症率を調査した。また、年代、年齢、性別、教育レベルとの相互作用や、血管危険因子と心血管疾患が及ぼす影響についても検証した。

低下傾向は確認、要因は不明

検証の結果、フラミンガム心臓研究参加者における認知症発症率は過去30年間で低下したことが明らかになった。しかし、発症率低下に寄与する因子は完全には同定されなかった。

(画像は『The New England Journal of Medicine』HPより)

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▼外部リンク
The New England Journal of Medicine
The New England Journal of Medicine(日本語版)

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