中鎖脂肪酸の摂取はアルツハイマー型認知症のQOL(生活の質)改善に効果的
日清オイリオ、認知症ケア学会で発表
日清オイリオグループ株式会社は、6月11日、札幌市で開催された第16回日本認知症ケア学会大会(5月23日~24日)において、アルツハイマー型認知症に関する中鎖脂肪酸の新たな研究成果について、症例報告と関連報告をおこなったと発表した。
アルツハイマー型認知症の80代男性の症例
日新オイリオは、症例報告において2つの例を発表。1例目は、 医療機関に通うアルツハイマー型認知症の80代男性1名の改善例について。
この男性は、約10gの中鎖脂肪酸を継続摂取したところ、開始2週間で、もの盗られ妄想と疲れやすさが軽減され、「遂行機能、意味や陳述記憶、遅延再生」において改善が見られた。
具体的には、日常生活での会話量が増え、家族の氏名を思い出せるようになった。このことから、中鎖脂肪酸は認知機能改善に加えて周辺症状(BPSD)改善にも有効な食品であることが示唆された。
若年性認知症通所サービスの症例
症例報告の2例目は、若年性認知症者が通うデイサービスにおける60代男性9名の症例。
毎日20gの中鎖脂肪酸を半年間摂取したところ、9名中7名にアルツハイマー型認知症の改善が見られた。記憶などの中核症状ばかりでなく、不安やうつ、不眠などの周辺症状(BPSD)や日常生活の動作などでも良好な結果が見られ、9名中4名の家族が介護負担の軽減を認めた。
画像解析技術による表情分析方法の報告
また関連報告として、画像解析技術を利用した認知症者の表情の変化を客観的に評価する方法について発表をおこなった。
画像解析技術を利用した表情分析方法は、デイサービスに通う若年性認知症者を対象に笑顔の頻度を数値化するというもの。その日の体調、レクリエーションの内容などの違いによって、「笑顔の頻度」が異なることを客観的に確認できるという。
日清オイリオは今回、認知症者のQOL改善を 「笑顔の頻度」から評価することを試みた。将来的には、認知症者と介護者との意思疎通を支援し、ケアの質向上につなげていきたいとし、今後もさらに中鎖脂肪酸の臨床研究を進めていく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
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日清オイリオグループ株式会社 プレスリリース
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