サムスン開発、アルツハイマー型認知症のためのスマホアプリ「バックアップメモリ」

2015年5月18日

サムスン電子チュニジアの仲間たちが考案

サムスンは、4月27日、アルツハイマー病患者を支援するためのアプリ「バックアップメモリ(Backup Memory)」を開発したと発表した。

手がけたのは、サムスン電子チュニジア(SETN)のマーケティングマネージャをつとめる Azer Jaafoura 氏と、そこに勤務する仲間たち。約1年前、何かアルツハイマー病患者を手助けすることはできないかと考えたのがきっかけだ。

くり返し思い出すことで記憶を保持する

アルツハイマー病の治療法は、今のところまだ解明されていない。しかし近年の研究では、過去のできごとをくり返し思い出すことによって脳が刺激をうけ、記憶がどんどん失われていくという症状を抑えられる可能性があるという。

Azer氏らは、チュニジア アルツハイマー病協会、広告エージェンシー3SG BBDOらの協力を得て、アプリの開発に着手。初期のアルツハイマー病患者を対象に、家族についてできるだけ覚えていられるように患者の記憶を刺激し、思い出の想起と保持を手助けする「バックアップメモリ」機能を開発した。

患者とその家族や親しい人間が「バックアップメモリ」をインストールしておくことで、お互いが10メートル半径内に近づくと Bluetooth がはたらき相手を認識。患者のアプリ画面に相手の顔写真、名前、自分との関係などを表示する。

英語とフランス語に対応

病気が進行しアプリそのものを起動できなくなったらとの疑問の声もあるが、あくまで初期症状の患者を想定して開発されたアプリ。記憶をつねに刺激することで、できるだけ記憶が衰えていくのを防ごうというのが目的だ。

「バックアップメモリ」は、英語とフランス語の2つの言語で利用可能で、ダウンロードして使用することができる。

Azer氏らは、このアプリをさらにグレードアップすることを計画中。アルツハイマー病患者のリアルタイムの位置情報が家族らに把握できるGPS機能の追加も考えているとのことだ。

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