アルツハイマー型認知症が血液検査で早期診断できるようになる!? 米研究グループ
2015年4月10日
早期診断ができる可能性
米国ロックフェラー大学らの研究グループは、2015年3月16日、血液検査によってアルツハイマー病の早期診断ができる可能性があるとの論文「Changes in a blood-based molecular pathway identified in Alzheimer’s disease」を、米国科学アカデミー紀要で報告した。
「アミロイドベータ」の濃度
アルツハイマー病は、診断が下されるすでに10年前から、脳の損傷が進行しているといわれている。発症前の検査としては、脳脊髄液の中からアルツハイマー病の原因とされている物質「アミロイドベータ」の濃度を測るという方法がある。
しかしそのためには、腰骨部分から髄液を注射で抜き取らなければならず、体への負担が大きい。
第XII因子
今回の研究では、まず作業血管系がアルツハイマー病に関与していることに注目。その結果「アミロイドベータ」が、「第XII因子」と呼ばれる血漿中のタンパク質を活性化していることが示された。
このタンパク質は、接点システム(contact system)として知られている経路の最初のステップであり、アルツハイマー病では血液の中の接点システムが活発化していることが確認できた。
さらに接点システムの働きが高まると、同時に脳脊髄液の「アミロイドベータ」の濃度が高まることも判明。研究グループは、マウスモデルによるフォローアップ実験をおこない、「アミロイドベータ」を過剰に作るネズミで同様の結果を確認した。
今後も検証を重ねていく必要があるが、将来的には血中濃度を検査することにより、アルツハイマー病の発症前診断の可能性が見えてきたといえる。
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Rockefeller University 論文
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