東北大、記憶の存続時間をがん遺伝子が調節することを発見
2020年4月14日
ショウジョウバエの餌の記憶の仕組みを研究
東北大学生命科学研究科の市之瀬敏晴助教、谷本拓教授らの研究グループは、記憶が長期化されるときに「MAPK」というがん遺伝子の働きが促進されることを発見し、さらに脳内分泌物質ドーパミンが、そのスイッチを入れる役割を果たしていることを突き止めました。
日間保持されるショウジョウバエの餌の記憶の仕組みを研究したところ、「MAPK」やドーパミンを受け取る遺伝子が抑制されたハエは、記憶を長期化することができませんでした。今回の発見は、神経細胞での「MAPK」の働きと、その制御機構を明らかにしたといえます。
記憶の存続は、数秒で忘れてしまうものから数十年にわたって憶えているものまで、非常に大きなばらつきがあります。記憶が定着するためには、記憶の長期化というプロセスが重要です。アルツハイマー型認知症などの記憶障害は、記憶の長期化にまず問題が生じることが多く、この仕組みを理解することは喫緊の課題です。
本研究結果は『Journal of Neuroscience』誌(2020年2月26日)に掲載されました。また、本研究は、文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行われました。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
記憶の存続時間をがん遺伝子が調節する(東北大)
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