7人焼死の火災。認知症高齢者起因の事件・事故、責任の所在はどこに?

2015年3月11日

7人焼死の火災。初公判

2010年3月、高齢者認知症グループホームで入居者が焼死する火災が起き、業務上過失致死罪に問われていた、当施設運営会社社長の谷口道徳(みちのり)被告の初公判が6日札幌地裁で行われ、弁護側は無罪を主張した。

事件の内容とその焦点

この事件は、2010年3月13日の午前2時、北海道札幌市北区の認知症グループホーム「みらい とんでん」で、入居者の認知症男性がストーブの上に衣類を置いたことが出火の原因となり、木造2階建ての施設が全焼したもの。

この火災が原因で、当時65歳から92歳の男女7人が焼死。管理運営責任を谷口氏が問われていた。

起訴状によれば「男性入居者はストーブに異常な興味を抱いており、火災に繋がる可能性を当時、施設運営会社社長であった谷口被告も知っていた」とし、火災は予見できたもので、適切な防火対策をしなかったと注意義務違反を指摘した。

被告側はこれに反論、火災の原因は不明で、衣服がストーブに置かれたとしても建物の火災には至らないと起訴内容を否認した。

「7人の尊い命が失われたことはお詫びしたいが、刑事責任はない」と無罪を主張している。

認知症者起因の事件・事故の責任の所在とは?

認知症患者数は、2025年には700万人を超えると推測される現在。

今回のケースや、徘徊で起こってしまった事故など、、認知症高齢者が起因の事件・事故について、責任の所在はどこにあるのか、今後の大きな争点・課題になるといえるのではないだろうか。

(画像は札幌地裁ホームページより)

▼認知症関連おすすめ雑誌

▼外部リンク
札幌地裁

【この記事を読んだ方へのおすすめ記事】

このページの
上へ戻る