エステー、介護空間特有の複合臭を解明

2018年11月18日

新たに新成分を処方して商品をリニューアル

エステー株式会社(東京都新宿区)は、介護の困りごとの上位に挙げられる、介護に伴う臭い(複合臭)を解明し、介護現場の不満・不便を解消するブランド「エールズ」をそれに対応した処方として改良して11月中旬から発売します。

同社は、一般的に尿や便などが主なニオイの原因とされていた介護空間特有のニオイについて、かねてから大妻女子大学の水谷千代美教授と共同で「在宅介護における室内環境の臭気調査」を行い、このほど新たに湿布のような臭気を持つサリチル酸メチルによる「湿布臭」の存在を発見しました。

この新たな発見で、介護空間のニオイは尿臭、便臭、汗臭、加齢臭に「湿布臭」を加えた5つの臭気成分が混じり合うことにより作り出され、特有の介護空間の複合臭となっていることが明らかとなりました。調査結果は、「日本家政学会第70回大会」及び「第31回におい・かおり環境学会」にて発表されました。

介護に伴う臭気の素を解明

調査は2017年7月から8月にかけて、在宅介護家庭10軒による協力の下、被介護者が生活において最も長く滞在する部屋に、捕集媒体を室内の数か所に設置、1週間後にこれら捕集媒体を回収し、機器分析と官能評価を行いました。

これにより在宅介護空間の臭気は、脂肪酸類やアルデヒド類、フェノール類、インドール、サリチル酸メチルなどによって構成されることが機器分析により明らかになりました。また、官能評価においても、低強度ではあったもののサリチル酸メチル由来と考えられる湿布のような臭気が確認されました。

本調査において、要介護度が高いほど室内の臭気が強くなる傾向があり、その主たる要因は排泄物由来であることが示されました。新たに発見したサリチル酸メチルの臭気強度は比較的低いものの、これまでに報告されていた4つの臭気成分にサリチル酸メチルを添加した疑似臭の評価において、介護空間により近い臭気になることが分かりました。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
【エステー】エステーが大妻女子大学との共同研究で介護空間特有の〈複合臭〉を解明 新たな臭気成分として〈湿布臭〉を発見

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