認知機能障害に新たな創薬標的、ミクログリア
2018年3月28日
脳血流低下は「ミクログリア」による脳内炎症と白質傷害が原因か
京都大学の白川久志・薬学研究科准教授らの研究グループは、脳の血流低下が認知機能障害を引き起こし、それにはミクログリアという免疫細胞が関与していること明らかにしました。
脳の血流量が低下し、酸素や栄養が脳へ十分に行き届かなくなることは認知機能障害の発症・病態増悪因子の一つであることはわかっていましたが、詳しいメカニズムは分かっていませんでした。
研究グループは、マウスを使って慢性的に脳の血流量を低下させた病態モデルを作成し、認知機能障害の発生メカニズムを調べたところ、脳内の免疫細胞であるミクログリアが病態時に観察される脳内炎症の増悪と認知機能障害に関与しており、そのミクログリアに発現するイオンチャネルであるTRPM2(トリップ エム2)を抑制すると、その症状が抑えられることを解明しました。
今回の発見は、アルツハイマー病や血管性認知症をはじめとする認知症はもちろんのこと、他の中枢神経変性疾患や精神疾患にも共通しており、これらの神経疾患に対する新たな創薬標的として今後の基礎研究への寄与が期待されます。
(文中画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
脳の血流低下が認知機能障害を引き起こす -脳の免疫細胞「ミクログリア」による脳内炎症と白質傷害が原因か-
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