九州大学 歯周病菌とアルツハイマー病の関係解明
2017年9月27日
徐々に明らかになるアルツハイマー病
九州大学大学院歯学研究院の武 洲准教授ならびに中西博教授らの研究グループは、詳細が不明であった歯周病がアルツハイマー病患者の認知機能を低下する現象について、メカニズムの一部を解明することに成功しました。
Pg菌の主な病原因子であるリポ多糖によるミクログリアのToll様受容体活性化が慢性的な脳炎症を誘発し、中年マウスの学習・記憶低下を引き起こすことはわかっていましたが、歯周病原因菌であるジンジバリス(Pg)菌が出す歯周組織破壊酵素ジンジパインが、ミクログリア(脳脊髄に存在し免疫機能を担うグリア細胞の一種)の移動ならびに炎症反応を引き起こすことを突止めました。
このことからリポ多糖に加え、ジンジパインは歯周病によるアルツハイマー病型認知症の悪化に関与するPg菌の病原因子である可能性が示唆されました。
同大では、Pg菌とその病原因子の脳内浸潤メカニズムについて解析を進め、さらにジンジパイン阻害剤が歯周病のアルツハイマー病に及ぼす悪化作用を抑制する可能性についても検討したいとしています。
(文中画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
九大、歯周病菌の出す組織破壊酵素が脳内ミクログリア活性化の引き金になることを解明
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