「認知症」とは何か、介護現場を通して学んだ

2016年11月20日

フィールドワーカーとなり身をもって考えた

株式会社生活書院は、『あなたを「認知症」と呼ぶ前に――〈かわし合う〉私とあなたのフィールドワーク 』を出版しました。

『あなたを「認知症」と呼ぶ前に』は、「ケアされる側」にたたされる人たちの、それだけではない「生のいずまい、たたずまい」に魅かれた著者が、自らの「とまどい、まよい、失態」を見つめ、その人たちと私〈との体験〉をくみとり、聞きとり、描きだす中から、これまでとりこぼされてきたさまざまなことがらを浮かび上がらせる、〈身をもって〉考えるフィールドワークの全貌です。

『「本人は幸せだよね」ってマジかよ』

フィールドワーカーとして、認知症介護の現場で体験したことが数多く綴られています。項目の見出しには、「白くなれ、白くなれ」「ほしけりゃ、あげましょ、のしつけて」、等、印象に残った認知症本人の言葉が数多く使われています。

特に、「ユキさん」と呼ばれる認知症の人へのフィールドワークについて、詳しく書かれています。

これらのことから、著者は認知症介護のポイントは、認知症を知ることであり、そのためには本人の言葉をよく聞くことにあるとしている。

末尾の補章として「認知症当事者の〈姿〉はどこにある?」のタイトルで、愛知鉄道事故判決(「認知症徘徊事故訴訟」)に関する報道について、当事者の姿が見えていないのではと疑問を投げかけています。

「徘徊」する人の焦りと不安を感受しているか、助けを求めることへの羞恥心に気づけているか、等です。

著者は、出口泰靖氏。

A5判並製で440ページ、定価は2,700円(税別)です。

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