臨時の介護報酬改定で認知症対策の強化を図る

2016年9月29日

平成29年度の臨時介護報酬改定で認知症対策についても言及されるか

平成28年9月、介護に従事する者の処遇改善を主な目的とする臨時介護報酬改定において、若年性を含む認知症への対策強化や彼らの介護に当たる者への支援の充実等に、触れられることが報じられた。

認知症の早期発見や彼らに対するよりよい生活サポートを目指して

現在日本では、若年性を含む認知症を抱える者が増えており、これは個人レベルでも社会レベルでも大きな影響をもたらす。

そしてそれらは、まず個人レベルでは進行に伴う本人のQOLの低下や、彼らの介護に当たる者へ集中しがちとなる負荷等、社会レベルでは医療費や福祉費の増大や彼らの生活を支える上で必要となる、関連政策の実施等だ。これらは全て日本が抱えている課題の一端であり、現在その解決や緩和のためあらゆる取り組みがなされている。

一方、認知症自体根本的な治療法は未だ見つけられてはいないが、その進行を遅らせるものは開発されており、故にこの疾患においては初期段階での気づき及び治療開始が重要となるのだ。

加えてこの進行を遅らせるためには、薬物治療はもちろんのこと認知症の特質を考慮に入れた、また進行の程度が踏まえられた適切なアプローチが必要となる。だが、現状は介護従事者の不足や適切な社会的支援を受けることにおける困難性等があり、上記の達成とはほど遠い。

そうした事柄を踏まえ、同年7日に設けられた社会保障審議会介護保険部会にて、平成29年度の臨時介護報酬改定を行うことが決められたのだ。

ただし、詳細の内容については社会保障審議会介護給付費分科会において、煮詰めていくこととなる。

認知症対策や介護及び医療分野での連携のため市町村支援を促進

今回の社会保障審議会介護保険部会では認知症関連分野について、新オレンジプランの介護保険法等への導入や認知症症状の進行具合等を踏まえた、適切なケアを受けるために必要となるシステムの構築等について、厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室の宮腰奏子室長により提言がなされた。

とりわけこのシステム構築については、個々の状態に即したサービス提供を可能とするために介護保険事業計画等へ加えることや、医療分野での連携をさらに強固なものとするため都道府県によりなされる市町村への支援強化等が図られる。

またこの他にも、認知症を抱える高齢者の介護に当たるものへのサポートの充実や、彼らを含む高齢者が暮らしやすい地域作りの促進、そして若年性認知症への対策を強めることについても合わせて提示された。

▼外部リンク
厚生労働省

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