軽度認知障害(MCI)って何?

2017年9月28日

高齢者の4人に1人は軽度認知障害(MCI)もしくは認知症であるといわれています。かなり高い割合と考えられますが、本人や周りが知識を持たないために見逃されているケースもあります。発見の遅れはその後の経過にも影響します。軽度認知障害とはどのよう症状を指すのか、認知症とどのように違うのかなど、軽度認知障害について知っておきましょう。

この記事の目次
  1. 軽度認知障害(MCI)とは
  2. 軽度認知障害とは
  3. 軽度認知障害の高齢者の数は増加
  4. 軽度認知障害の症状
  5. 軽度認知障害の主な症状
  6. 軽度認知障害と認知症の違い
  7. 軽度認知障害は早期発見が重要

軽度認知障害(MCI)とは

軽度認知障害とは

近年高齢化が進むにともない、テレビや雑誌などのメディアでも「認知症」が取り上げられることが多くなってきました。それにより認知症については広く知られるようになってきましたが、「軽度認知障害」についてはよく知らない、という人も多いようです。 軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、MCI(Mild Cognitive Impairment)とも呼ばれます。認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の中間と言えます。放置することで認知症につながる可能性があるため、認知症と併せて知っておきたい障害です。 軽度認知障害の定義は以下の通りです。

<軽度認知障害の定義>
・記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
・日常生活動作は正常
・全般的な認知機能は正常
・年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
・認知症ではない

軽度認知障害の高齢者の数は増加

認知症および軽度認知障害の患者数は年々増加しています。
厚生労働省の発表によると、65歳以上の高齢者において、認知症患者の数は約462万人、軽度認知障害をもつ高齢者は約400万人と報告されています(2012年時点)。これらを合わせて約862万人となり、これは、高齢者全体の1/4の数、つまり、4人に1人は認知症もしくは軽度認知障害ということになります。認知症は、まさに国民病とも言えるほど身近な病気となってきているのです。

軽度認知障害の症状

軽度認知障害の主な症状

上で紹介した定義にもあるように、軽度認知障害は「記憶障害」が主症状となります。物忘れは歳を重ねれば誰にでも見られるものですが、軽度認知障害は、年齢に見合わないほどの物忘れが特徴です。例えば、生活の中では以下のような言動が見られます。

・いつも「今日何日か」を忘れている
・話したことを忘れて同じ話を繰り返す
・特定の単語・言葉が思い出せない
・少し前のことでも忘れてしまうことがよくある

このような物忘れが見られる軽度認知障害は「健忘型」といわれますが、記憶障害がない「非健忘型」もあります。非健忘型の症状としては、聞く・話す、ということができなくなる「失語」や、今までできていたことができなくなる「失行」などがあります。

軽度認知障害と認知症の違い

軽度認知障害と認知症の違いとして挙げられているのが、基本的な動作は正常化どうか、という点です。

人は、生活を送るうえでさまざまな動作をします。その動作はADL(Activities of Daily Living)と呼ばれ、「基本的ADL(食事や入浴、トイレ、着替えといった最低限必要となる動作)」と「手段的ADL(買い物や家事、金銭管理など何かをするための少々複雑な動作)に分けられます。認知症ではこのふたつの両方が障害され、家事や買い物はおろか自身の身の回りのことも難しくなります。一方、軽度認知障害の場合、基本的ADLは正常とされますが、記憶障害により家事や買い物といった手段的ADLに影響を与えます。そのため、家族や周囲の人の介護や介助は必要なく、日常生活に大きな支障はないとされていますが、やはり年相応と言えないほどの物忘れや失語・失行のため、生活に全く影響がないわけではありません。

もうひとつの違いとしては、発症後の経過が挙げられます。認知症の中でも多くの割合を占めるアルツハイマー型認知症は、現在の医学では完全に治すことはできません。症状の進行を遅らせるための治療はありますが、ゆっくりでも進行はしていきます。一方の軽度認知障害は、適切な治療介入ができれば、認知症の発症を遅らせることが可能な段階です。軽度認知障害の治療・改善方法については、運動や食事、脳トレーニング、薬物療法など、さまざまな研究がなされており、なかには改善が見られたというケースもあります。

認知症と軽度認知障害の違い

認知症と軽度認知障害の違い

軽度認知障害は早期発見が重要

軽度認知障害を発症すると、1年で平均12%の割合でアルツハイマー型認知症へ進行するという報告があります1)。1年で12%ということは、4年後には約50%がアルツハイマー型認知症患者になるという計算になります。数字だけ見るとかなり深刻と考えられますが、これは軽度認知障害を放置した場合の割合です。軽度認知障害と診断されても、適切な対策や治療を行うことで発症を遅らせられる可能性があります。
軽度認知障害の対策・治療は、早期であればあるほど効果が高いとされています。そのため、将来の認知症発症を予防するには軽度認知障害の早期発見が何よりも重要です。高齢者本人はもちろん、家族など周囲の人も軽度認知障害について知識を持ち、変化に敏感になることが大切です。

1) Petersen RC,et al.(1999):Mild cognitive impairment : clinical characterization and outcome.Arch Neurol,56,303-308


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