通いの場に参加してみませんか?
「最近、外に出るのがおっくうになった」「外出する体力が不安」「通院や買い物、銀行には出かけるけど、誰かと会う機会は減った」「ひとりで食事するのは寂しいな」という方たちがいらっしゃるかと思われます。厚生労働省では、地域による介護予防の取り組みとして、『通いの場』の活動を進めています。
今回は、『通いの場』についてご説明します。
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通いの場ってどんなところ?
外出する機会が減った高齢者や、高齢者だけでなくいろいろな世代の人たちと話す機会が減った、など様々な理由で閉じこもりがちになった高齢者の方たちが、外出をする、適度な運動を行う、同年代の方たちとおしゃべりをする機会を作り、住み慣れた地域でいつまでも元気にすごしてもらうための場です。
具体的には、高齢者が歩いて15分程度の通いやすい場所(コミュニティセンターや公民館、個人の住宅など)に、住民が主体となって様々な活動を運営します。通いの場で行われている活動は、体操(ストレッチ、運動、ヨガなど)、茶話会、手芸、園芸、料理教室、将棋や囲碁、ゲーム・レクリエーション、カラオケ、地域の子どもたちとの交流などです。介護予防・認知症予防目的の内容が多いですが、参加者の希望に合わせて内容を決めていきます。また、専門職による健康相談や血圧測定、栄養相談、リハビリテーションなどが行われる場合もあります。料金は、無料のプログラムや、1回数百円、1か月数千円などプログラムによって異なります。
通いの場はどのくらいあるの?
厚生労働省¹⁾によると、通いの場は全国で91,059か所、参加率は4.9%(令和元年8月23日発表)です。活動内容は、体操が約半数を占めており、茶話会、趣味活動、認知症予防、会食の順となっています。
通いの場の活動主体は、特定非営利活動法人、任意団体、一般社団法人、公益社団法人、株式会社など様々です。それぞれが地域の特色や利用者の状態を踏まえて、活動を継続しています。しかし、参加率は4.9%と年々増加してきていますが、継続していく難しさもあります。例えば、通いの場となる場所がない、人手が足りない、いろいろな世代に参加してほしい、いろいろなプログラムを行いたい、高齢者の状態に合わせた参加しやすい場にしたい…などの問題もあります。
今後、より魅力的な通いの場となるように、年齢層・性別・関心・健康状態に応じて参加者の希望に添えるような類型化が必要です。
以下は現在行われている取り組みの一例です。
①退職後間もない男性を対象にしたボランティア活動講座
②シルバー人材センターを通いの場として会員の経験や知識を活かした多様なプログラムを実施
③通いの場に参加した後、小学生の下校時の見守り隊を行う社会貢献
④体操の日に誘い合ったり、休んだ人の様子を見に行くなど、お互いが協力しながら助け合う
⑤今までの子育ての経験を活かして、子育て世代への支援
⑥スーパーを通いの場として、健康管理、健康教室、健康相談、健康関連商品やサービスの紹介
通いの場に参加するだけではなく、社会貢献にもつながっています。
通いの場に参加する効果は?
厚生労働省¹⁾は、今後の目標として、一人ひとりが健康で自分らしい人生が送れるように、2040年までに健康寿命を3年延伸することを目標に掲げています。健康寿命とは、「日常生活に制限のない期間の平均(健康上の問題による日常生活への影響がない期間)」のことを言います。そのため、より一層、介護予防に向けた取り組みが必要となります。
健康寿命を延ばすために、今から始められること健康寿命が延びることで、自立した生活を送ることができます。通いの場が介護予防としての役割だけでなく、仲間作りや、生きがいにもつながります。お近くの通いの場を探す方法として、社会福祉協議会や役所などに聞いてみましょう。
参考文献:1)厚生労働省「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」中間取りまとめ(2020年2月27日アクセス)
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